シニア世代の活躍が目立った今年の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」。もっともアグレッシブなプレーをした選手に“ミスター”から直々に贈られる、注目の“長嶋茂雄賞”をさらったのは、偶然にもこの日最終日に54歳の誕生日を迎えた室田淳だった。

４日間で１イーグル、19バーディは、合計25ポイントを獲得（※）。

表彰式で大会名誉会長の長嶋氏から、賞金100万円とトロフィーを受け取って恐縮しきりだ。
「長嶋さんに、最後の最後に見られてしまって･･･」。

それまで４アンダーのボギーなしで来ていたのに、最終18番でラフに入れ、ダブルボギーを打ったのだ。
グリーンサイドで見守っていた長嶋氏に、その様子をグリーンしっかりと見られてしまった。
「はあ･･･」と、大きなため息をついた室田は、「これが俺の人生だな。こういうのが無ければ楽しいゴルフなんだけどなあ･･･」と、思わず愚痴もこぼれ出た。

室田が過去に、唯一サインをもらったのが長嶋氏だった。「もう30年も昔のことだけど、自分がプロになった年にハワイでたまたま一緒になって･･･」。
あのときの記念は、今もまだ大事に大事に取ってある。

憧れの存在を前に、カッコよい場面で締めたかった。
「残念だね」と、本人にはちょっぴり後味の悪い受賞となってしまったようだが長嶋氏は、50歳も半ばを過ぎてもなお、互角に戦う室田をして「飛距離で勝る若手を押しのけ、ベテランの強さを見せてくれました」と、最高の賛辞を送ってくださった。

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