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The Championship by LEXUS 2009

丸山茂樹が首位タイに返り咲き

この日4バーディの68で、初日に引き続き再び首位に立った丸山は、「うちのお父さんが、久しぶりにいい仕事をしました」。
応援に駆け付けた、コーチで父の護さん。
ドライバーの不振に悩む息子に、スタート前にかけた言葉は絶大だった。

「どうせ気持ち良く振れないのなら、スティンガーショットを多めにして打っていけばいいじゃない」。
スティンガーショットとは、フォロースルーを肩の高さ程度に抑え、強く低い弾道で狙ったところに確実に落としていくショットで、スタートから早速実践。
「フォロースルーの位置を決めてそこに向かって一気に振っていく」。
それは、風の多いリンクスコースなどでする、「ボールを右寄りに置いて打つパンチショットとも少し違う」という。

本人いわく「今回のはフルスイングスティンガー」。
これが、古い松林がうっそうと生い茂るここ大利根カントリークラブで「思いのほか効果的だった」。
後半の9ホールですべてフェアウェーをキープして、「こんなに真っ直ぐ行ったのは久しぶり」と、自然と声も弾む。

「キャリーよりラン」を重視したというショットは結果的に距離も出て、最終18番は同組の飛ばし屋の武藤よりも前に行き、「最後は僕が一番飛んでいた。やるときはやるんです」と、満面のマルちゃんスマイルで、おどけてみせた。

鬼門の10番、14番のティショットではこの日はじめてスプーンを握り、13番はクリークで打って無難に切り抜けた。
初日22、2日目は24パットに抑えたグリーン上は、スタート前に「昨日までより半フィート速い」。
その警戒心から「シビアに受け止めすぎた」と、この日は28パットを打ったが、それでもこの3日間の平均パット数1.5455ストロークは堂々の1位と、いよいよ大会はクライマックスを迎えて死角はどこにも見あたらない。

2007年のサントリーオープン以来の最終日最終組。日本ツアーは9勝のうち、7勝はすべて最終日の逃げ切りVだ。
米ツアーは3勝の実力者だが、「ドライバーイップス」を抱えているいま、「やって当然みたいに思われている」のはつらいところだが、ヒーローは弱音を吐かない。
「みんなの期待に応えて頑張りたい」。
賞金レースを争う勇太&遼が不在の大会で、主役を張れるのはやっぱり丸山しかいない。

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