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フジサンケイクラシック 2009

久保谷健一「そろそろ、上を見ないといけないんです」

2アンダーの暫定4位タイスタートに、「良いんだが悪いんだが…。ぎっこんばったんのゴルフです」と久保谷。5つバーディを奪いながら、8番のボギーや12番のダブルボギーを悔やむ。

「良いショットもあるんだけれど…。ロングで取れていないのも、反省点」と、パー5の取りこぼしを課題に上げた。

先週の高麗グリーンの感触を引きずっているのか、パッティングにも精彩を欠いて、6番や17番で「いいとこつけた、完璧だ」というストレートの上りのラインを外したのも悔しい。

「カップにかすりもしなかった」とうなだれたが、この人がそうやって、もがいているのはいいことだ。普段は「どうせ僕なんか」というような、ほとんど諦めの言葉ばかりが口をつくが、プレーの内容を言及するのは前向きになってきている証拠だ。

先週のバナH杯KBCオーガスタで、昨年8月のサン・クロレラ クラシックから23試合で続いてきた連続予選通過記録が途切れた。

ミズノオープンよみうりクラシックで初日に首位タイにつけた際にも、優勝争いや全英オープンの出場権はそっちのけで、「僕は、むしろそれよりも決勝ラウンドに進めるか、というほうが気になる」とこだわった予選通過にいよいよ失敗したことで「かえって気持ちが落ち着いた」という。

それまでは、「カットラインに縛り付けられていた」。
予選通過を気にかけることで、「粘りのゴルフが出来たのは確かに良いこと」と利点をあげつつ、「そればかりに気を取られていちゃ、やっぱりいけない」。

やっとプロの本筋を思い出した。
「粘っているだけじゃなくて、上を見ながらゴルフをしないと」。
会場こそ違うが、ツアー初優勝が97年の今大会という歴代チャンピオンが初日の好発進にも背中を押され、ようやく7年ぶりのツアー通算5勝目を狙う気になったようだ。

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