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東建ホームメイトカップ 2010
丸山茂樹「まずは一生懸命に頑張る姿を見せることが大事なんだ」
スタートの1番で、リクエストが飛んだ。
「マルちゃん、ジャンボさんのもの真似してよ!」。
若いころにはコースや、テレビのバラエティ番組などで、自らすすんで披露した十八番の形態模写は、芸人も顔負けだった。
しかし40歳を迎えた今では、なにやら気恥ずかしくて仕方ない。
「勘弁してよぉ」と、マルちゃんスマイルで軽くいなした。
「今では、こっちから挨拶する選手のほうが少なくなっちゃったんだから。そういうのは若い子に任したよ!」。
いよいよ迎えたジャパンゴルフツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」。20代、30代のころなら「もっとギラギラとして、来ていた」。
しかし今では、落ち着いたものだ。
「大事なのは1年を通じてどうか。今年も安定したプレーが出来ればいい。全試合は難しくても、何試合かに1回は、良いプレーだったねと言ってもらえる仕事が出来ればそれでいい」と、そんなセリフにも実感がこもる。
昨年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。いよいよツアー最終戦で、国内では10年ぶり10度目の優勝を飾った。
9シーズンを戦ってきた米ツアーからスランプを持ち帰り、苦しみ抜いた30代後半。
それらを乗り越え、40代最初のVにやっとすべてが報われた。
中でも同世代の人たちから「頑張る勇気をもらった」と、言ってもらえたことが何よりも嬉しかった。
「まずは、一生懸命頑張る姿を見せることが大事なんだ」と、改めて確信できた。
「ドライバーで300ヤードも飛ばすような若手が活躍するのはもう、当然の世の中ですから」。そこに、無理して割って入るつもりはさらさらない。
「違った分野で凄いな、と思ってもらえれば。まあ、僕はこれから3週間くらいかけてゆっくり調子を上げていきますよ!」。
歓喜の涙で締めた2009年。
2010年の始まりは、余裕のスマイル全開と行きたい。