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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006

片山晋呉、3年連続の賞金王に!!

最終18番パー5。片山が、グリーン横のスコアボードにじっと目を注ぐ。しばらくして、目当ての選手が映し出された。
谷原秀人は、予選通過に1打及ばない通算1オーバー68位タイのまま競技を終えていた。

「最後、バーディが獲れなかったのか・・・」。
ホっと、息を吐き出した。

現在、賞金ランク2位の谷原との賞金差は5632万3673円。
谷原が、片山を逆転賞金王の座につくには、今大会から2週連続優勝でもあげない限り難しい状況だった。
だが、この最後のチャンスで予選落ち。

3年連続の賞金王が決定した瞬間だった。

95年のデビュー戦がこのカシオワールドオープン。
予選通過さえ果たせずに、そのあとの予選会でも出場権さえ取れなかった。
あの不遇の時期が、走馬灯のように駆け巡る。

そんな因縁の大会で、青木功と尾崎将司以来となる史上3人目の偉業達成に「運命的なものを感じます」。

昨年は、背筋痛で最後の3連戦を棒に振った。
辛くも2年連続の頂点を手にしたが、最終戦のインタビューで報道陣に「尻すぼみの賞金王」と指摘された。
その悔しさをバネにして、これまで以上に過酷なトレーニングやスイング調整に取り組んだ1年間だった。

「こんな体の僕が・・・典型的な日本人の僕が“3人目”になった。自分も、進化しながら獲れたことを誇りに思う」。

しかし、喜びに浸る間もなくその背中には重圧がのしかかる。
ツアーの一時代を築く者としての責任感。
「プライドを持って、ツアーをますますアピールして、盛り上げたい」。

通算6アンダーは首位と4打差。
「今週も頑張って、ワクワクさせる日曜日にしたい」。
すぐさま、そんな思いがこみ上げてきて表情を引き締めた。

予選落ちで、逆転賞金王の可能性を失った谷原秀人の話
「シーズン途中に背中を痛めたのが痛かったけど、タラレバは言わない。それも来年にむけての良い課題と思って、調整すればいいこと。(片山との差は)すべてにおいて、かなりあると思う。ショットもアプローチもパターも。でも、徐々に近づいていけたらいい・・・と思っている。それも僕の努力次第ですから」。

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