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島田JGTO名誉会長の「お別れの会」に700人

昨年11月3日に膵頭部ガンのため64歳でこの世を去った、社団法人 日本ゴルフツアー機構(JGTO)の前会長で、名誉会長の島田幸作を偲ぶ「お別れの会」が1月27日(火)、故人の地元・兵庫県宝塚市で、しめやかに行われた。

誰からも愛された人柄を示すように、会場となった「宝塚ホテル」には、弔電が後を絶たず、開始時刻の13時が迫っても弔問の波が途切れない。

故人が長くヘッドプロをつとめた宝塚ゴルフ倶楽部の役員、メンバーや関係者の方々も含め、およそ700人が参列。

192個用意された来賓席はあっという間に埋まり、一般献花を待つ方々のために設けられた広いスペースも、満員電車並みの混みように。

生前のあの柔らかな笑みをたたえた大きな遺影を中央に、真っ白い胡蝶蘭や、大輪の百合の花…。満開の花々で飾られた祭壇は、たちまち献花で埋め尽くされた。

さらに階下に場所を移して行われた懇親会場には、故人が愛用したクラブやゴルフグッズ、また通算15勝の優勝シーンや、夫人とともにブッシュ前米大統領夫妻と収まった記念写真などが展示され、それをもとに生前の思い出話を語る人々は、終了時間を過ぎてもなかなか去ろうとしなかった。

ミズノ株式会社の水野正人・代表取締役会長が弔辞で敬愛と親しみの気持ちをこめて、ひとつ後輩の故人を「幸ちゃん」と呼び、誰よりも負けず嫌いだった青春時代や、ゴルフ場のパッティンググリーンで朝から晩までボールを転がし続けた選手時代。
また六甲山のケーブルカーまで全速で駆け上がるトレーニングで黙々と身体を鍛えていた様子など、在りし日の姿を微笑ましいエピソードを交えて振り返ると、会場はおごそかな中にもほのぼのとした空気に包まれた。

ご自身も体調を崩され療養中の妻・和子さんが、喪主の挨拶で祭壇の前に気丈に立ち、「10年間というもの、会長職を立派に勤め上げることが出来たのは、周囲のみなさまの温かい支えがあったからこそ」と感謝の気持ちを表したあと、「…ただひとつ、会長退任後は若いころから支えてくださった親しいみなさんと、ゴルフなどで楽しい時間を過ごすことを望んでおりましたので、その願いが実現できず心残りだったと思います」と、故人の無念を代弁すると、あちこちですすり泣きが漏れ聞こえた。

トッププロとして、またゴルフ界の牽引役として身を粉にして、渾身の力で駆け抜けた64年間。
3ヶ月がたった今も「早すぎる」と惜しむ声は消えることがないが、せめて氏がこれまで全霊をかけて築き上げてきたものは、途切れさせない。

JGTO現会長の小泉直は追悼の辞で、「島田名誉会長の遺志を、残された役員・職員が引き継ぎ日本ゴルフツアー機構の名に恥じない発展を遂げるよう、これからの日々を精進・研讃して参る覚悟でございますので、どうかご安心ください」と、その笑顔に向かって呼びかけた。

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