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ダイヤモンドカップゴルフ 2011
小田孔明は「完璧、以上っ!」
スタートの1番で、「奇跡みたいなバーディを取ってゾーンに入った」。
右手前から、16メートルの上りフックは「外れていたら、3メートルは行っていた」。
勢いよくカップに沈んで、それが契機となった。
そのあと、6つのバーディは「すべて4メートル以内にビタビタついた」。
持ち味のアイアンが、うなりを上げた。フェアウェーから打てば寄る。「必ずチャンスにつけられる」。
ピンチらしいピンチも「1個だけ」。9番のティショットで「ハーフシャンクのような球が出た」というが、それもインパクトの瞬間に、近くの売店から聞こえた「くしゃくしゃ」というビニールの音に、体がつい反応してしまったためだ。
この日のフェアウェーキープ、パーオン率とも1位。ラフに入れたのは3回、グリーンを外したのは2回だけ。
ラフが深く、フェアウェーが狭い難コースも「2番、3番アイアンを駆使して攻略出来た」と、胸を張る。
昨年は、開幕戦で連覇を達成したあと、イップスの症状にかかって苦しんだが、この日の内容を見る限り、その後遺症は微塵も見られない。
「去年の頭から勝ててない。勝ちたいなあ」という一言に今の心境を凝縮させて、一方的に会見を切り上げ、疾風のように部屋を出ていった。