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負けた2ペアも明日の巻き返しを誓った!!

残念ながら、初日はフォアサムのストロークプレーで勝利を収めることが出来なかったのは、W小田の孔明&龍一ペアと、兄弟弟子の藤田寛之&宮本勝昌。

W小田は、スタートからグリーン上で、途方に暮れた。水曜日に先乗りした4選手で回った練習ラウンド。雨中の“仮想・日韓戦”では「もっとグリーンが重かった」。
だがいざ本番では一転、大会用に整備され、「あのときとは全然速さが違ってた」。
1番でボギー。2番でなんと4パットのダブルボギーに完全に、敵に隙を与えた。孔明が、うなだれた。「まさにやっちゃった・・・という感じで」。
龍一も、うつむき加減に「そのあとも、3パットの嵐で」。
そのかたわらで面白いようにチャンスを決めていく金大玹(キムデヒョン)&金旻渉(キムデサブ)組に、差がつくばかりだ。

1つのボールを交互に打つ特殊なプレー方式は、特に龍一には初めての経験。
「本当は、どちらのせいでもないのに、お互いに悪いな、と思ってしまう」。
その気持ちがますます、劣勢ムードに拍車をかけた。

相手チームはイーブンパーに対して、7オーバーの大叩きには、もう言い訳の言葉も見あたらない。

重い空気を引きずりながら、上がってきたのはこの組も藤田&宮本組も同じだった。師匠の芹澤信雄を中心に普段から練習を重ね、気心を知り尽くした間柄も、「コンビネーション以前の問題。お互いのゴルフの状態がちゃんと機能していなかった」と、藤田は厳しい表情で、振り返る。
「互いのミスを、カバーするパワーも無かった」と、唇を噛んだ。

対する韓国チームは、順調にスコアを伸ばしていく裵相文(ベサンムン)&金庚泰(キムキョンテ)組の好プレーも、指をくわえて見ているしかすべがなく、後半の9ホールは反撃のチャンスも完全に見失い、3オーバーは6打差の圧勝を許して完敗した。

しかし、宮本には自分のメンツなど、どうでもいい。
「日本が勝てば、それでいい」。
初日は自分たちの黒星よりもまず真っ先に、我が日本チームの1ポイントリードに胸をなで下ろしながら、それでも本音は「結果を出したい、チームに貢献したい」。

藤田との相性の良さは、今さら言うまでもない。問題は、個々にある。
「これからしっかり調整しなおして、明日はたくさんバーディが取れるようにしたい」との宮本の決意表明に勇気づけられたように、「頑張らないとね」と、藤田も頷く。

そして、この日は敗れた小田孔明も「明日は相手が誰でも必ずぶっ倒す!」。打たれれば打たれるほどに、燃える男だ。
「負けていっそう、闘争心に火がついちゃった」。
龍一とともに、悔し紛れにおにぎりにかぶりついた。キャプテン青木のチエ夫人が、わざわざ現地に米10キロを持参して、この日は早朝から選手のために、精魂こめて握ってくれた。
「ほんとうに上手いですっ!」。
負けた悔しさと一緒に噛みしめ、のみ込んだ。

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