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“小田先生”が教壇に立ち、子供たちに伝えたかったこと!(その2)・・・小田孔明④

「みんなは自分がやりたいことや将来の夢はありますか?」と子供たちに質問。
「メジャーリーガーになりたい」という夢も出た中で、小田は諭すように伝える。

「ただ何となく遊び、ただ何となく勉強して過ごすのではなく、まず目標というものを決めてほしい。
もし自分が有名になりたいとか、幸せになりたいとか、看護婦や学校の先生、野球選手やサッカー選手になりたいとか思っているなら、早い段階で目標を決めることが大事で、それに対して取り組むことがもっと大事。
僕は小学校を卒業する時に、全校生徒の前で“プロゴルファーになる!”と言ったら笑われた。
“プロゴルファーになんかなれるわけないじゃん”という声を聞いた時、みんなを見返してやろうと思った。そしてプロになった時に初めて、小学校や中学校の友達から認められた。それも中途半端なプロとかではなく、日本で活躍するようなプロにならないと認めてもらえないよね。だから言った以上は、それに対して自分で今から取り組むこと。
もちろん遊んでもいいけど、自分が本当になりたいとう目標を1つ決めてください。」と繰り返した。

そして奥様との結婚秘話、28歳でシード権を取るまでに5年かかった話を経て、いよいよツアー優勝した時の話題へ。
29歳の秋にカシオで初優勝をし、翌年も東建、カシオで優勝。
31歳でまた東建に勝ち、カシオとともに2年連続優勝。優勝回数4回のうち、同じ大会を2回勝ってるだけというのは珍しい。
30歳の時に、賞金ランキング3位になり、初めて獲得賞金が1億円を超えたと言うと、「え〜っ、すごい〜」という大歓声が室内に響き渡る。
この年は、小さい頃から憧れていた全英オープンに出場もしたが予選は通らず。日本でこんなにうまくなっているのに、世界では全然通用しないということを改めて痛感し、世界で戦っていくためにはどうしたらいいのかを、いまだに研究しながらトレーニングとゴルフをしているそうだ。

「上手くなったからここで終わりとかではなく、自分で“ここ”という限界を作らないで、もっと自分はできるんだ!と思ってほしい」と語り、子供たちが理解しやすいように、跳び箱を例に出し、「5段しかできないと思わずに、最初から10段跳べると思えば5段は簡単に跳べる。そういうイメージを作ることが大事。つまり、目標を高いところに定めてあげれば、仮にそこに到達できなかったとしても、そのちょっと下ぐらいはできるということ。だからみんな絶対に自分の限界を作らないでがんばってほしいとメッセージを送った。

小田自身も「ツアー開幕戦の東建ホームメイトカップ3連覇」、「賞金王」、「もう1度世界で戦うこと」を目標に掲げ頑張っていることを伝え、45分間の講演会を締めくくった。

最後に子供たちから心温まる校歌のプレゼント。
そのお返しとばかりに、小田は試合中に使用しているゴルフボールにサインを入れたものを用意し、全校生徒に笑顔で手渡し。このサプライズに子供たちは飛び上がって大喜び。

夢のような時間を過ごした子供たちは、小田とのお別れが名残惜しく、門を車で出るまで見送っていた。

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