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JOYX OPEN(ジョイックスオープン)2014を開催
会場のクラブハウス前のミニ・ギャラリープラザには、佐用町のソウルフード「ホルモン焼きうどん」の店舗が軒を連ね、「官兵衛」ののぼりの下で、選手たちもみなインターバルでフーフーしながら舌鼓をうって「うん、美味い!」。
乳がんがピンクリボンなら、前立腺ガンの早期発見と、早期治療の重要性を伝えるのは「ブルークローバー」運動。その啓蒙活動の一環として、開催されている今大会には、ツアーの空き週を利用してやってきたシード選手たちの顔ぶれも多数ある。
大会主催は多くのトッププロを抱えるマネジメント会社の「JOYX(ジョイックス)」だ。その契約プロでもある藤本佳則は参加2年目にして、ブルークローバー運動のことは、実はよく分かっていなかった。今は亡きドンこと杉原輝雄氏をもむしばんだ病であることも、今年初めて知った。「そうやったんですか…」といつものビリケンスマイルもちょっぴりしんみりと、「それならなおさら、これからも僕らで広く伝えていかなあきません」。また「どんな形であれ、こうして社会貢献活動に協力していけることは、プロゴルファーとして光栄なことですね」。
そのほか、平塚哲二や小田孔明&龍一、貞方章男や武藤俊憲、宮里優作らシード選手の中でも、5人はこのあと週末に、千葉県の麻倉ゴルフ俱楽部で行われる「ザ・レジェンド・チャリティ・プロアマトーナメント」に出場するためこの日のうちに、慌ただしく成田に移動しなければならないが、毎年恒例のチャリティイベントにも、穴をあけるわけにはいかない。
ここ佐用町で、2009年に起きた悲劇もまだ忘れてはいけない。台風9号が降らせた大雨は、20人の尊い命を奪った。ブルークローバー運動とあわせて、大会を通じて地元へのチャリティ活動を、今も続けている。
「ひとまず区切りの10回大会を目標に頑張っています」とは、JOYX(ジョイックス)の前村直昭・代表取締役社長。藤本の敏腕キャディとしても活動を続けている前村さんは、ゴルフ界の底辺拡大にも意欲を見せる。
今大会はプロ2人に対し、各地区予選を勝ち抜いて出場権を得た選りすぐりのアマチュア選手2人が4人一組になって、腕を競い合う。
この日は、白潟英純と小田新と回った小澤昭博さん(読売テレビアナウンサー)は、「いや、本当に勉強になりますね」と、ラウンド中も感激しきりだ。
孔明と優作と同組で回った山内一輝くんは、まだ中学2年生(追手門中学)。「プロの攻め方とか凄く勉強になります」と声を弾ませ、「凄く緊張しています」との初々しいコメントが、嘘のような前半9ホールの好スコア。
1アンダーで折り返した山内くんに、今年の“開幕戦男”も闘志メラメラ! 前半はひとつ痛恨のOBで、2オーバーでやってきた優作は山内くんとの3打差に「ターゲットは決まった!」と、なんと中学生に挑戦状をつきつけながらもちょっぴり弱腰。「…いやあ、でも3つの挽回は難しいかな? まだ中2なのに、山内くんはほんと上手いんだもん!」。
同組の孔明にも「いや、ほんと曲がんないよね」とこぞってトッププロに褒めそやされれば、山内くんもまんざらでもない。
将来への目標を、さらに膨らませた充実の1日は残念ながら雨にたたられ、また今年はプロのスケジュール調整がうまくいかずにあいにく平日開催となってしまったが、思いのほかたくさんのギャラリーが駆けつけてくれて、大会実行委員長でもある前村さんも、感無量だ。
「足場の悪い中でもこんなにたくさんのギャラリーの方が足を運んでくださって」と、このご恩返しのためにも、大会の今後のさらなる発展を、誓わないではいられない。
大会は、優作と同い年の33歳、伊藤元気が孔明の猛追をかわして、2位と1打差の7アンダーで、記念すべきプロ初優勝を飾った。優勝賞金100万円に加えて、レギュラーツアーは10月の「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central」と、チャレンジトーナメントは9月の「elite grips challenge」の出場権を得て、「これを機会に、ますます頑張っていきたいと思います」と、まだシード権を持たない選手にとっても大いに励みとなる1勝となった。
※大会の模様は、6月15日(日)の朝9時よりたっぷり3時間! CS放送のSkyーAで放送されます。伊澤利光による解説つきで、楽しめること間違いなしです!
※※大会結果など、詳細はこちら!