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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙 2012
桑田真澄さんと立浪和義さんがツアーに初挑戦
「野球はピンチになるほど大騒ぎになるでしょう。ものすごい喧噪の中で、集中力を出すというのをやってきた。でも、ゴルフは反対にものすごいシーンとした中で、力を発揮しなければならない。これは僕らにとっては逆に非常にプレッシャーなんですよ」と、笑うのは桑田さんだ。
プロの試合は昨年から2年連続で、レギュラーツアーの登竜門であるチャレンジトーナメントの「富士カントリー可児クラブチャレンジカップ」で経験済み。その中で、残念に思うことが「ゴルフにはファールがないこと」という。
「野球はファールで逃げられるけれど、ゴルフは逃げられない。今のファールにしといてくれと、思うことがしばしばある」と、極めた野球道と同じようには、なかなかいかない「ゴルフの難しさ」を、桑田さんはそんなユニークな言葉で表現した。
プロのみなさんとは技術的にも大きな差があると思うが、野球でも、最後まで諦めないということをずっとやってきたので」。
再起不能といわれるほどの大怪我を何度も経験しながら、不屈の闘志で幾度もよみがえってきた桑田さんのことだ。
「ゴルフでも、最後までベストを尽くして1打でも良く上がる、というのをギャラリーのみなさんにお見せしたい」。
そして立浪さんは、ハンディ4の腕前だ。プロ野球の引退後はますます練習量が増えて「去年は180ラウンド、今年はすでに120ラウンドを超えた」というほどの「ゴルフ好き」でもある。
また今週は、大会に備えて月曜日に500球も打ち込んだと、ゴルフでも練習の虫は変わらない。
名古屋で行われるコカ・コーラ東海クラシックは、2010年にマンデートーナメントから、本戦出場を目指したことも。当時は念願かなわず立浪さんも、先輩の桑田さん同様にこれが初挑戦となるレギュラーツアー。
「ゴルフは、野球以上にメンタルなスポーツ。なかなかうまくいかないけれど、だからこそムキになる。もっともっと極めたいと思う」と、その魅力を熱く語る立浪さん。
「まっすぐ当たったときのドライバーを見て欲しい」とは、いかにも2480安打の記録を持つバッターらしいアピールだ。「立浪のドライバーは確かに280、・・・いや290ヤードくらいは軽く行くんじゃないか?」とはかたわらの桑田さん。いずれもベストスコアは70という2人。
「せっかくなんで、楽しみながらも目標はプロの試合で70台」と立浪さん。
桑田さんは「こうしてチャンスをいただけることに感謝しながら、今週は精一杯勉強をさせていただきたいと思います」と謙虚に、それぞれの挑戦が始まる。