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小田孔明が「遼と勇太をやっつける」

今年も開幕から猛ダッシュで行く。筋肉隆々の肉体から、早くも熱い思いがほとばしる。このオフは、シーズン終了からさっそくトレーニングに着手。正月早々に参加した「ザ・ロイヤル・トロフィ」は、会場のタイからグアムに飛び、さらにハワイへ。

毎日ラウンドを挟みながら、体をいじめ抜いてきた。おかげで、もともと分厚かった胸板はみるみると盛り上がり「どこへ行っても、『格闘家の方ですか?』って」。そんなエピソードも決して大袈裟ではなく、ほんとうに見まがうほどだ。

スイングも今から切れまくっている。「ドライバーもアイアンも絶好調」と早々と出来上がっている。

強い気持ちがある。都内・有明の東京ビッグサイトで行われた「ジャパンゴルフフェア2010」。なかびの20日(土)にトークショーに参加した。契約先SRIの展示ブースでぶち上げた。
「今年は、絶対に賞金王を獲ります」。

やはりキング獲りを公約に掲げた昨年は、しかし賞金ランク3位に甘んじた。
18歳の石川遼と、当時23歳の池田勇太に阻まれた。

「普段は2人とも、とってもいいやつなんですよ」と小田。
石川はあの歳で、いつも「どこでしゃべり方を覚えてきたの」とつい突っ込みを入れてしまうほど、受け答えもしっかりしているし、「勇太も面白いけど、根はとっても良い子で」。
2人から「孔明さん」「孔明さん」と慕われて、いつもは少し年の離れたアニキのような心境でいるが「どんなに仲が良くても、コースに出ればそこは“戦場”だから」。
いざ試合では、容赦しない。
「今年は遼と勇太をやっつける。リベンジですよ」と、血気盛んだ。

そのために、今年も最初からスパートをかける。
昨年、2勝目をあげた4月の開幕戦「東建ホームメイトカップ」はもちろん、「まずは連覇で」。
海外でも、積極的に行く。
まずは7月の全英オープン。ゴルフを始めるひとつのきっかけとなったメジャー戦は、今年憧れのセント・アンドリュースが舞台で、なおさら気合いが入る。
そこで勢いをつけて、後半は国内で2勝、3勝と重ねる。

昨年は終盤に息切れがした。それは一番に、得意分野に来た。
飛距離が落ちてきてしまったのだ。
「だから今年は5ヤードアップが目標です。そして安定して飛距離をキープして、ドライビングディスタンスはトップ5に入りたい」。

すべては、天下取りへと続く道。その青写真はすでに孔明の脳裏にしっかりと描かれてある。

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