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韓国勢の強さが際立った2011年
まず、ニューフェイスのMVPともいうべき「最優秀新人賞島田トロフィ」を獲得したのはJ・B・パク。なんといっても6月の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」がデカかった。ツアー初Vが、5年シードのメジャー戦という快挙に、韓国勢の勢いは、ここから始まったいっても過言ではない。
この直後に、黄重坤(ハンジュンゴン、ミズノオープン)、趙珉珪(チョミンギュ、関西オープン)、そして裵相文(ベサンムン)と、初優勝者が続いた。
パク自身は大きな1勝を挙げながらも賞金ランク19位にとどまったのは少々、物足りない結果となったがもう少し安定感を増せば、来季も台風の目になることは間違いない。
一生に一度しかチャンスのない賞の受賞に「未熟者ですが、ガンバリマス」と、覚えたての日本語を駆使して、来季の抱負を語ったパクだった。
また、今季は2年連続の賞金王とはいかなかったが、金庚泰 (キムキョンテ)は昨年に引き続き、平均ストロークと、パーキープ率で2年連続の受賞を飾った。
そのほか、平均パットは2位。パーオン率6位。バーディ率は4位と、あいかわらず抜群の安定感で、存在をアピールした。
「日本ツアーの賞金ランキングは12位に終わりましたが、そのかわり韓国で1位になりました」と、母国ツアーできっちりと2度目の王座について、国内外で今年も“鬼”の強さを見せつけた。
シーズン途中まで逡巡していた米ツアーへの挑戦も、ひとまず今季は思いとどまり、来季も日本を主戦場に、やはり韓国とあとは、海外ツアーにもますます積極的に目を向けて、進出をはかる。
「来年もヨロシクオネガイシマス」と、すっかり板についた日本語で、律儀に頭を下げていた。
そして、金にかわって新しく王座についたのが、裵相文(ベサンムン)。「VanaH杯KBCオーガスタ」で初Vの壁を破ると、あとは破竹の勢いで、頂点へと駆け上っていった。
今季ツアー最終戦から2戦を蹴ってアメリカに渡っても、余裕のキング獲りだった。やむなく欠場したカシオワールドオープンは、留守にしながら賞金王を確定させると翌週は、いよいよ米ツアーのQスクールで、普段の力を発揮するだけでよかった。11位に入って、来季の出場権を確定させたが「また必ず日本に戻ってきます」と、裵(ベ)は言った。
「僕は日本が大好きですから。秋にはきっと予定をあけて、日本で何試合かを戦います」。アメリカで揉まれて、またどんな成長した姿を日本のファンに見せてくれるか。