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東建ホームメイトカップ 2015
さあ、待ちに待った開幕です!!
13日の月曜日はもう4月も半ばの声を聞こうというのに、降りしきる冷たいこぬか雨も、ここはへっちゃら。会場は名古屋地下鉄の栄駅に隣接した商業施設「オアシス21」。見上げる夜空には、色とりどりのネオンもにじむ。近未来をイメージした幻想的なイベントスペース「銀河の広場」は、「水の宇宙船」と名づけられた巨大なガラス屋根に守られ、雨にも濡れることもなく、ファンのみなさんの拍手と歓声がにぎやかに響く。
「・・・池田プロは結婚しないの?」「好きな女性のタイプは?!」「ずばり今年の目標は・・・?!」。ファンのみなさんから寄せられた質問は、どれもプロの素顔をあぶり出すものばかりで冒頭のトークショーも、さっそく抱腹絶倒。盛り上がる。続いてパッティング対決は、プロがめいめい持ち寄った豪華な愛用の品を景品に、ファンのみなさんの目の色も変わった。
開幕直前の和やかなひととき。今年は仕事帰りのお父さんも参加しやすい。18時の開演も、1時間以上も前から席取りの人たちでもう一杯。立ち見が出るほどの大盛況ぶりに、参加プロたちのテンションも自ずと高まる。
「ここに立っているどのプロが、賞金王になっても不思議ではない」とは、孔明。ライバルたちへのリスペクトもぬかりなく、「その中でも、今年は自分が誰よりも多く勝つという気持ちでやる」と昨季の賞金王は言い切った。初の頂点に立っても悔しさのほうが、大きかったかもしれない。昨季末の世界ランクは52位。わずかにトップ50に漏れて、今年は本当に久しぶりに賞金王不在のオーガスタになった。「今年は、リベンジ。最多勝利で2年連続の賞金王。世界ランク50位に入り、絶対にマスターズに行く」と、早々に鼻息荒い。過去2勝のこの開幕戦は「ここに来るとなぜかいつも良いゴルフが出来る。今年の開幕戦は、僕が勝つ」と、そんな孔明のV宣言に気色ばんだのは、この男だ。
宮里優作。昨年は、2013年のツアー最終戦から年またぎの2連勝を達成して、「その味を知ってしまったから。今年もぜひ連覇を狙う。開幕からギラギラと、“ストップ・ザ・孔明”です」と、優作も遠慮はしない。
バチバチと火花を散らす2人。そのかたわらで、なぜか挙動不審は高山忠洋。「僕は、あまり最初から大きなことをいえないたちなので・・・。先の2人があんなに場を盛り上げてくれているのに、盛り下げてしまってすみません」と恐縮しきりも、なんの!
現在、名古屋在住の高山こそ、開幕戦2勝の実力者。史上最多勝利が実現すれば、地元ファンも大喜びだ。「孔明の背中を追いかけて、僕もがんばる」と控えめながら、触発されて健闘を誓った。
その中でも、相変わらずマイペースな“マー君”。昨年は、実に14カ国を股にかけた川村昌弘は、今年もアジアとヨーロッパツアーの掛け持ち参戦で、「誰よりも多くの国でプレーして、誰よりも多くの国で優勝したい」とはいかにも。幼いころから冒険家にあこがれていたという21歳の夢らしい。
そして、選手会長には節目の年になる。コースでは互いに容赦はしない。「孔明プロも昨年、言っていたけどやっぱり、賞金王と最多勝利はセットでなければ、悔しい」とは池田。デビュー年から2年目の2009年には、最多の年間4勝をあげながらも、悲願の賞金王は手放した。「今年はぜひ」とここでもまた一人、候補に名乗りをあげたが「この中で、勝つのはたった一人だけ」とは、厳しい勝負の世界の掟。今年は20代最後の年ということもあり、なおさらほかの誰にも譲れない。
「だけどツアーを盛り上げるという意味では、みな気持ちはおんなじだから」と、その点では手を手を取り合い、力を合わせる。「“チーム一丸”となって頑張っていく。ひとつ集大成の年にする」との抱負は今季3期目の選手会長としてのもの。
今年もまた、女子ツアーには、約1ヶ月遅れで始まるジャパンゴルフツアーにだって、明るい材料はちゃんとある。「試合数を増やして新しい年を迎えることが出来ました」と、池田は明るい顔で「今日はこのステージに、素晴らしい5選手が顔を揃えてくれましたが、男子ツアーを代表するプロゴルファーは、ここにいる5人だけじゃない。毎週、毎週、個性豊かな役者が揃い、今年も男子ツアーは技とパワーで、みなさんを魅了して参ります」。
さあ2015年、いよいよ熱き男たちのドラマの幕開けだ・・・!!