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日本オープンゴルフ選手権競技 2015

孔明は「もう泣かない」

18番では、きわどいボギーパットを沈めてヒヤヒヤ
悲願のタイトル獲りに向けて、前日水曜日の練習日は今週から新しく投入したオデッセイのマレット型のパターで、徹底的に調整を重ねた。「昨日めちゃ練習した甲斐がありました」と、初日からピンチを拾いまくった。

出だしの10番、11番とさっそく立て続けに2メートルのパーパットをしのいで「今日の流れはあの2個だった」。18番では、左のフェアウェイバンカーに入れた2打目を、まさかのウェッジで、高いあご当てて脱出に失敗。そこから再び、ピッチングを握るしかなく、フェアウェイに刻んだ3打目を、どうにか4メートルに乗せたボギーパットは「なんとか入ってくれと、祈りながら打った。パットのお陰さまさまです」。
昨季の賞金王は今年、最初の1勝になかなか届かず、「いくらショットが絶好調でも、パットが入らなければ勝てない」と、近頃とみに身にしみていて、昨年の今大会を制した池田勇太もそうだったが、勝者に共通していることは「パットが、神がかって入っていること。去年の勇太は予選で回ったけれど、初日からバカスカ入ってた」。
自身もあの再現を胸に期して、入念な準備を重ねてきた。

泣きたいほど勝ちたいこの日本一決定戦。あまりのタイトルほしさに首位に立った3日目にして、涙したのは一昨年大会だ。「今年もそこそこ入れ込んでいますけど、それも3日目まで。最終日には、気楽に回る」。そのために、初日からこつこつと蓄えを増やしていく。「1日69の計算で、優勝スコアは12アンダー。今日は1個、貯金が出来た。もう泣かない」。
今年こそ、泣くのは悲願を達成してからだ。

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