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“行列”の息子はいつか親子で行列を!!
「たるんでんじゃないか、って。きっと言ってんでしょうね。それはオヤジだけじゃなくて、周りの人たちも」と、真摯に受け止めた“行列の息子”。
人気タレントとしても活躍する弁護士、北村晴男さんの長男・晃一は、ちょっぴり弁明。
「去年、シーズンが終わってから1ヶ月、ほとんどクラブを握らずに来ましたので」。
チャレンジトーナメントの賞金ランク上位で本格参戦を果たした昨年。
「1年ずっと(試合に)出るというのを初めてやった。疲れていたので、ちょっと休むことにした」と、出発までつかの間のオフを、あえて完全休養に充てて来た。
「クラブもまだテスト段階で、微妙に合わないという中でやって、間に合わなかったけど国内開幕までに、まだ時間はある」と、33歳はデンと構えている。
「ゴルフを始めて、今年で10年目。ここまでは、順調に来ている」。
神奈川・桐光学園の野球部で、甲子園に2度出場。一浪して中央大学法学部で、父と同じ弁護士を目指したが「自分には向いていない」と、きゅうきょ進路変更。
大学4年時からプロゴルファーを目指し、プロテストに合格したのは、その2年後の2009年。さらに8年後の昨年、第二枠ながら賞金ランク72位でシード入りにこぎつけた。
幾度か迎えた人生の分岐点。どの地点においても父親に口出しされたことは一度もない。「そんなふうには育てられていないので」と、いくら放任主義でも初シードに対する父の思いは、伝わってくる。
「もちろん、喜んでくれていると思う。今年はそこからもう1,2ステップほど出来たら」。
帰国後は2月中旬から宮崎で小田孔明らと合宿を張る。
「4月の国内開幕こそ本番」と、本格調整をスタートさせる。
一昨年の結婚を機に、福岡に移住してから行動を一にするようになった孔明にはシード1年目に際して「国内ではJTに出られたら一流」と、言われた。
歴代賞金王から示唆されたシーズン最終戦への出場は本人も、のぞむところだ。
開催コースの東京よみうりカントリークラブは実家から5分にある父親のメンバーコースであり、プロを目指してからは特に晃一も練習を重ねたホームコースである。
もっとも慣れ親しんだ庭こそ「出るには一番、難関」。
もっとも敷居の高い試合で戦う姿をこそ父に見せたい。
そのあかつきには、かのテレビ局の人気番組から晃一にも、出演オファーがきっと来る?!
「・・・そうなると、いいですよね」。
ニヤリと笑った息子。
目標は、親子共演。今度は父と行列を作ると誓った。