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今年は2度目の天下取り! 孔明が目指す、返上の2017年

今年は天候に恵まれ穏やかだった正月も、趣味の釣りはお預けだ。そんな暇はない。トレーニングに明け暮れた年末年始。今週は19日にも、「SMBCシンガポールオープン」と、さらに翌週には「レオパレス21ミャンマーオープン」がある。

今季初戦。「今年はほんっとに頑張らなきゃいけないから。大好きな釣りも、我慢をしてる」。2014年に賞金王に輝きながら、その翌年から勝ち星にも見放されたままである。

この2年間の屈辱を晴らす方法は、一つしかない。
「今年はもう一度、賞金王を目指しますよ」と孔明は断言した。
「そこ目指さなきゃ勝てないし、上にも行けない」。

今年、38歳。昨年は、今までになく強気になれない自分がいた。
国内外で破竹の松山英樹も、励みになるというよりむしろ、気持ちがふさいでいる自分に気がついた。
「ヒデキのゴルフを見て、俺が今からあそこに到達出来るのか?」。
自問すればするほど弱気になった。
「心が折れちゃった」と、振り返る。

「ヒデキや、遼のゴルフもそうだけど、若い奴らの思いきりの良さ・・・。年齢のせいなのか、それが全然出来ていない自分。腹が立ってしょうがなかった」。

特にシーズン終盤は、いっそう盛り下がる出来事もあった。秋の宮崎で、突然の腹痛。病院で診断された結腸憩室炎とは孔明の説明によると、腸の壁が炎症を起こしていぼ状のものができ、ひどくなるとイボがブドウの房のように無数に増えて、手術が必要になることもあるという。

幸い、そこまで大事には至らなかったが点滴だけで丸2日を過ごし、食事もとれなかった。その週のダンロップフェニックスは見るからにげっそりやせこけ、スタミナ不足は明らかだった。

その後も、本調子に戻れないまま2016年は終わった。傷心のままシーズンを終えた歴代の賞金王は「冬の間にもう一度、精密検査をしてしっかり治さないといけない」。
心、技も、やっぱりまず体からと改めて痛感した。
「もう一度、鍛え直して今年こそ、万全の状態で戦えるようにしっかり準備する」と肝に銘じた。

ミャンマーから帰ったら、2月は沖縄。3月は、宮崎に居座って汗を流すつもりだ。
孔明を慕って、集まってくる若手は年々増えて、今年はこれまで最大の総勢18人でキャンプを張る予定だ。

「自分が若い時に先輩にやってもらったことを、今度は自分が若い選手に返す番」と、早朝のランニング、トレーニングと、午後からはコースを回る。合宿では若い選手たちと、ひたすらそのルーティンを繰り返すのが恒例という。

昨季は若い選手のゴルフに悩まされたが、「今年は若い選手の良いところを盗みながら、自分も一緒に成長していきたい」と、前向きに取り組むつもり。
「去年がダメ過ぎたので・・・。今年は初戦からガンガン行きます!」。
孔明が再び、天下取りを目指して立ち上がる。

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