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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

片山晋呉は「サトシにも負けてない」

今年から再びタッグを組んだ江連忠コースも駆けつけスタート前の入念チェックも「今は、治すところも何もない」と自信満々
40歳が、24歳を相手に対抗心メラメラだ。「シンゴさんは、僕より飛ぶ度にヨシ・・・!って言ってくるので」と苦笑したのはこの日、同じ組で回った小平智。日大の後輩は、いまもっとも活きのいい若手選手も「サトシにだって負けてない」。

9番でも、この日はフォローの風に乗せて、「ここでピッチングを持ったのは初めて」と、448ヤードのパー4で残り120ヤードの2打目はここでも、「サトシとも、対等にやれているから、やってて楽しい」と喜々として、「ここ最近は、平均して10ヤードは飛距離が伸びている」。単純計算で、パー4とパー5の計14ホールで足したら、「140ヤードも伸びてることに。これはデカイよ」と、そんな徹底したプラス思考もいかにもこのベテランらしく、その存在感はひときわ輝きを放つ。
小技でも魅せた。12番では、手前から鮮やかなチップインバーディも、3番や16番では、外からパターで長いチャンスを沈めたのも「シンゴさんは、ショットもパットも、アプローチも全部勉強になる」と、小平を脱帽させた。

その年の勝者と賞金ランキングの上位者しか出られないこの頂上決戦も、出場選手の中では最長の16年連続16回目の出場だ。今年はコカ・コーラ東海クラシックで5年ぶりのツアー通算27勝目を挙げたが、勝ち星がない間もしっかりと、出場資格を満たし続けていることも、ひとつ大きなプライドだ。

「あとは、何年連続で出られるかということになってきますよね」と、最多の連続出場は1971年から青木功が21年続けた記録の更新もモチベーションに、3位タイに浮上した。

今年は21歳の松山英樹が史上初のルーキーキングに輝いたが「40代の選手でも、ツアーを盛り上げていきたい」とこの最終戦では毎年、1番のスタートティで詰めかけたギャラリーに、少し早いクリスマスプレゼントを贈るのを、恒例にしている。
今年はカラフルなグローブの中にボールを詰め込み冬晴れの空に向かって投げ込む。常連のお客さんはすでに心得ていて、片山の入場を待ち構えて「こっちこっち〜!!」と楽しそうに歓声を上げるさまももはや、大会の風物詩となりつつある。
「ガツガツするわけでもないし、不安もない。これ以上、何も変えるところはないし、ゴルフにも、気持ちにも余裕がある」。これが、今季の最終戦というのがもったいないくらいの絶好調ぶりに、今季2勝目での大会3勝目も約束されたような雰囲気だ。

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