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RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 2019

地元初勝利を狙う孔明は、今後の九州支援についても思案

朝9時現在で、レベル4の警戒が続いている九州北部地方の豪雨は会場の当地、福岡県糸島市にも猛威をふるう。
7時40分を予定していた第1ラウンドのスタートも最初2時間、さらに1時間ごとに遅れて、選手たちも何もできないまま待機を余儀なくされている。

特に、地元福岡・飯塚市出身の小田孔明は、自宅にいる家族の状況も気にしながら、ロッカールームの窓から恨めし気に外を眺めて、「地震にしろ天候にしろ、最近の九州の被害は、ちょっとひどすぎる…」。
先月、日本プロが行われた鹿児島の被害もひどかった。

「あちこちで苦しんでいる人がいて…僕らプロゴルファーも何か、と思うがこう災害が続くと…」。
選手会では、今も東北に義援金を送り続けている。
「もちろん、東北にもまだまだ支援が必要で、やり続けなければならない。同時に、いま九州では今すぐにも助けを必要とされている方がいて…それにどう対処していくか」。

日本は地震大国ともいわれ、これからはそれに対する備えや対策を、もっとシステム化していく必要があるのではないか。
「スポーツ界でもいろいろ活動していますけど、一度すべての団体で支援活動に関して話し合い、体系化してはどうか。
たとえばゴルフ界は東北、野球は広島、サッカーは…と決めて、集中させればもっと大きな支援ができるのではないか」。

昨年の今大会では、オフ合宿で面倒みている出水田大二郎がツアー初優勝を飾った。また秋吉翔太は、昨季2勝。ちかごろ勢い目覚ましい地元九州勢の若手を束ねる41歳のベテランは、待機中のロッカールームでそんな思いを巡らせていた。
「プロゴルファーには、各選手にもスポンサーがついている。選手みんなにこういう、ピンフラッグにサインをして、”チャリティしますんで、お願いします”と頭を下げれば、みなさん喜んで拠出してくれると思う。地道に集めれば、けっこうな金額になる。小さなチャリティコンペでもいい。コツコツと取り組んでいかないと、こう災害が続けばとても間に合わない…」。

そう言っている間にも、雨は容赦なく窓を叩く。
「今週もどうなっちゃうのか。今日やれても明日はどうか。プレーできるのか…」。

14年の賞金王。08年から毎年、優勝を重ねてツアー通算8勝。
だが、15年からパタリと勝ち星が途絶えたまま。
特に、地元開催の今大会はもっとも勝ちたい試合のひとつに掲げてきたが、悲願には至っていない。
地元福岡が誇る大先輩方の名前を例に「藤田(寛之)さんも勝って、手嶋(多一)さんも勝って、勝ってねえのは俺だけ」と、苦笑いで切ないため息。
「今年も頑張らなくちゃ」。
無事、大会が開けたら、今年も全力で初タイトルを狙って地元に勝利を献上したい。

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