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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2016
ドリームチームのキャプテンも「負けられん」。だけど、ここのところ不運な孔明
前日初日に、首位タイに立った薗田は、今週の“チームメイト”だ。薗田が「21」のベストスコアで優勝した17日の「スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ 全国大会」は、今年もプロ6人による“ドリームチーム”を結成して、孔明こそそのキャプテンだった。
誰よりチームを引っ張るはずの主将は、しかしなんとまさかの「※(こめじるし)」。薗田より、5つも悪い「26」で回ってきた孔明は、6人中ワーストスコアを出した選手につけられる不名誉な称号を授かり、この日は“主戦場”でこそ「負けちゃおれん」と、踏ん張った。
前半の18番で3メートルのバーディから、折り返しの1番では127ヤードの2打目をウェッジで直接入れるイーグルを奪った。
さらに2番、3番と連続バーディで一気に伸ばして鼻息を荒くした途端に、「急に入らなくなっちゃった」と、6番では痛恨のボギーに「これが今のゴルフ」と、苦笑いだ。
「“スナッグ軍団”だけには負けたくねえ」と、今季は12ラウンドぶりの60台で、薗田にはどうにか追いついても、「朝のうち、俺らは凄い雨に降られて大変だったけど、午後からトップは14アンダーは行っちゃうよ」と言い残して引き上げた。孔明のほぼお見立て通りに、午後組はリーダーが通算13アンダーまで伸ばして決勝ラウンドを前に、6打差をつけられてしまえば「今週は、久々に余裕で予選通過が出来て良かった」と自虐の笑みで、歴代の賞金王にしては、消極的なコメントしか言えない今の自分が悔しい。
「ショットもパットも悪くない」。
それなのに、近頃は予選カットばかりを気にしてゴルフをしている。
「何が悪いのか。原因が分かれば対処も出来るけど、何が悪いのか分からないからこうなっちゃっているわけで」と、顔をしかめてこの2日間の天候も加味して「近頃なんだか運がない」と、改めてぼやいた孔明。
あの日、日曜日にプレ−中の孔明のところに「スコア、いくつ?」と聞きに来て「僕が勝った!」と、はしゃいだ小学生たちにもあの時、屈辱の「※(こめじるし)」に甘んじたプロが、今度はトーナメントで優勝したなどと言ったら「きっと喜んでくれるだろうなあ・・・!!」。そんな感動ストーリーを描こうにも、今の状態では、なんともはや・・・。「このあたりから、さすがに調子を上げていかないと!!」。腕まくりをしなおした孔明だ。