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中日クラウンズ 2019
@金谷拓実さんが貫くポリシー
初出場のマスターズで日本勢として、松山英樹に次ぐ2日目の予選通過を果たしたアマチュアの金谷さん。
″凱旋″のツアー出場は予選ラウンドで、ジャンボ尾崎と石川遼の注目組に放り込まれててんわやんやだ。
今年大会は60回目。
初日は金谷さんたちのスタート直前に、青木功が名誉スターターを務めるセレモニーもあって大ギャラリーに囲まれた。
さらにラウンド中には石川遼が腰痛を再発。
歩くのもつらそうな様子に不穏な空気も漂った。
明けてこの日2日目に石川は棄権。
きゅうきょ51歳差と2人1組の2サムラウンドは、ジャンボが13番で3つ目のバーディを奪うと、年齢と同じかそれより少ないスコアで回る72歳のエージシュートの可能性も出てくるなど、何かとドラマチックな2日間。
その渦中で淡々と、スコアを伸ばす20歳のゴルフが光った。
OKバーディを奪った6番。直後にジャンボが睨みを利かした。
「お前、俺にオナー取られたら罰金だかんな」。
ティーインググラウンドでは、スコアが一番いい選手が最初に打つ。
その順番を、俺に抜かされるようなことがあったら許さない…。
ジャンボ流の愛のムチ。
それでいて、合間にユーモアたっぷりのゴルフ談義に「和やかにしてくださって、いいリズムで回れた。ジャンボさんのおかげでいいプレーができた」と感謝した。
「ジャンボさんも、腰が痛そうでしたが僕が一人になるから、気を遣ってくださったのかな」。ツアー通算94勝の心遣いに恐縮しきり。
「ボールのさばき方など勉強になった」と、大会5勝のゴルフも目に焼き付けた
波乱の2日目も、いよいよクライマックスに差し掛かったころ、16番のパー4で、ディボット跡からの2打目がダフってグリーンを大きくショート。それでも顔色一つ変えずに、ピンまで30ヤードのアプローチを1メートル内にくっつけて、パーを拾った金谷さん。
どんな場面もポーカーフェイスを貫くのは昨年の反省があるからだ。
マスターズの権利を得た10月のアジアアマ。
「初日、2日目と悪くて感情が態度に出てしまった。もっと気持ちをコントロールしてやらなければ」。
反省を、すぐ結果で示して最後は逆転優勝。
「冷静さを保つ大切さを学んだ」という。
首位と2打差の8位タイから挑む週末は、さらに大ギャラリーを呼びそうだが「マスターズはもっと多かったので慣れました」と、心の成長も著しい。
2日間のゴルフを見たジャンボは「若い人間はバネも違うしスピードも違う。こっちは指先の神経も衰えているし、マイナス面が多い。ああいう若いのを見てると、余計そういう感じがする」と妬み交じりの賛辞を贈った。
今大会のアマ最高位は、2002年に宮里優作が記録した4位。
更新も狙える決勝進出だが「残り2日も自分がやるべきことをやる」と、あくまで冷静沈着に、60回史上初のアマVも夢ではない。