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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2021

名前の由来を勘違い。古川は「ゆうきを与える プレーを」

お父さん、ありがとう。いい名前です©JGTOimages
11時前に、もうプレーを終えて上がってきた。
この日は早朝4時起きで、第一組の6時10分からコースに出た新人の古川雄大(ふるかわ・ゆうき)は「嵐になる前に、上がってこられてよかったです」。

降り出した雨は、だんだんひどくなったがこの日は1オーバーでこらえた。
「今日は、タフな1日になる」と、にらんだとおりに、1番からボギーが先行した。
でも、難ホールが続くインコースのパーオン逃しは12番だけ。
後半唯一のピンチも、連続賞金王との練習ラウンドが生きた。

開幕前日に、たまたま一緒に回ることになった今平周吾の技を、見て盗んであった。

「いつもグリーンの傾斜重視で練習する」という古川に対し、特に深いラフから高く上げるアプローチに力を入れていた今平。

「クラブを開いてしっかりと緩まないように」。
時々、教えてもらったりして「とても勉強になりました」と、12番でも手前のラフから1.5メートルに寄せてパーを拾えた。
「危なげなくプレーができて、アンダーパーで回りきれた」と、感謝した。

初出場の宍戸で予選ラウンド2日目を、通算3アンダーで堪えて「僕の中では合格点」と、古川が頷いたころはまだ、初日首位の竹谷佳孝はスタートもしていなかった。
「帰って、ゆっくり寝れます」。
早起きした分、決勝ラウンドへの備えもたっぷり出来る。

ツアーで活躍する選手の最強決定戦は毎日、公共放送NHKで生中継されている。
初日に、4アンダーの3位タイでスタートした古川もたくさん映してもらい、放送後には「知人から一杯メッセージをもらった」と、反響が大きかったが家族の関心は、肝心のプレーではなかった。

初日のラウンド後にJGTOが掲載した記事を読まれたお母さんとお姉さんから古川に、抗議の連絡が入ったのは「雄大」と書いて「ゆうき」と読む名前の由来の部分。

小学時代に、お父さんに聞いたときには確か、「雄大と書いてゆうきと読むからそれでいいんだ」というような内容だったと思うが、「それは僕のうろ覚えでした」。
本当は「”雄大”で広い心を持ち、人々に”ゆうき”を与えられる人に」と、たいへん立派な意味があったのに「23年間まちがえていた。母と姉からいい加減なことを言わないでと叱られた」と、大反省。

命名したお父さんも、ガッカリさせてしまったようだが「この試合をきっかけに、知れてよかった。すっきりしました」。
決勝ラウンドに向けた目標も、おかげでドラマチックになった。
「人々に”勇気”を与えられるよう、頑張りたいと思います」。
ビッグタイトルをかけたV争いで、家族の絆もますます深める。

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