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ダンロップフェニックストーナメント 2020

新時代の一騎打ち。金谷拓実がプレーオフ4Hを制す

©JGTOimages
異例尽くしの最終日となった。例年なら、招待選手がひしめく日曜日のフェニックス。今年、最後まで残ったのは、現役の大学生ばかりだった。

新時代の到来を告げる、一騎打ちとなった。
東北福祉大4年の金谷拓実 VS 日本ウェルネススポーツ大3年の石坂友宏。1999年のJGTO発足後、大学生及びルーキー同士のプレーオフは史上初。

共にプロ3戦目のプロ初Vを争う戦いは正規の72ホールでは足りず、さらに4ホールを要した。
金谷は、本調子ではなかった。1差を追った本戦の18ホールもショットが曲がり、チャンスが決めきれない。
一度は石坂に、3差を許した。
だが、16番でエッジから6メートルを沈めて連続バーディで追いついた。
延長戦に持ち込み、追い詰めた。
18番で繰り広げたプレーオフ3ホール目。ピンそば60センチにつけた石坂に対して、2.5メートルのチャンスを先制。ついに次ホールのティショットで石坂のミスを誘い、奥から寄せたわずか30センチのバーディパットでとどめを刺した。

いつもは冷静沈着な新人学生プロが見せた両腕のガッツポーズ。
「すごい試合だったので。とっさに出た。まさか、同世代の選手と優勝を争うとは思っていなかったし、石坂選手と切磋琢磨して、良いプレーができた」。

錚々たる覇者が居並ぶ大会で、22歳と183日の優勝は、2014年の松山英樹の22歳271日を抜いて、日本人選手の最年少。

また、10月2日のプロ転向後3戦目のプロ初Vは、2014年の松山の同2戦目に次ぐ、日本人選手の最速記録だ。

またひとつ、ふたつと偉大な大学先輩の足跡を踏み、「毎年、世界トップの選手が出場して、優勝者も凄い選手ばかりなので、その中に名前を刻めて嬉しい」と、言った。

昨年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、2011年の松山に続く、ツアー史上4人目のアマVを達成。だが、「すぐに2勝目、3勝目を挙げていかないと認めてもらえない。そのために準備をしてきた」。

昨年8月から世界アマランク1位を走り、今年9月に日本人アマ初の最高峰メダルを獲得。
それでも、「プロに転向して通用するか、不安もあった」。
10月のプロ初戦から、国内では7位→5位と着実に結果を残すことで「少しずつ自信もついて、3戦目に優勝。自信が確信に変わりつつある」。
このプロ初勝利で、賞金ランクは3位に浮上。2シーズン統合の今季、2013年の松山英樹に次ぐ、史上2例目の”ルーキー賞金王”の偉業もにらむ。

史上初の大学生&ルーキー同士のプレーオフが終わると、表彰式も、大学生だらけになった。
日体大2年の中島啓太さんと東北福祉大3年の米澤蓮さんが、共に8位でローアマを獲得。
大学生アマ2人に挟まれた、22歳の大学生プロの近頃の口癖は、「プロとアマの垣根というのが薄れ、今は強い人が勝つようになってきている」。
松山がその道を示してくれたように、今度は自身がそれを証明して歩く。
  • 最終日のフェニックスが大学生だらけです

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