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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2021
5連続バーディの芦沢宗臣「一人でパパっと入れはりました」新人女子プロと愉快なV争い
3日目に首位タイに立った。
最終日は自身初の最終組で、ツアー初優勝を狙えることになった。
まだツアーの出場権はなく、今回は会場近隣の田辺カントリー倶楽部の所属プロとして、主催者推薦を受けて出場。
2017年の今大会でデビュー戦を飾ってからツアーはまだ10戦目で、生涯獲得賞金は97万2400円。
「最後の方はしびれましたけど。今日は3日目といいきかせたのでまだよかった」と、残暑の汗をぬぐう。
「今日は微妙な距離が入ってくれて、パッティングに尽きるかな、という1日」と、隣のキャディさんに(一応)感謝。
手引きカートを引く松本珠利(まつもと・じゅり)さんは所属コースの後輩で、今年6月の女子プロテストで2位合格したばかり。
13ヤードをチップインした10番は要らなかったが、2打目を50センチにつけた8番から怒濤の5連続バーディも(一応)一緒にラインを読んだ。
「2人の意見が違った時は『じゃあまっすぐだね』と(笑)。けっこう長いのも入ってくれた」と、芦沢は言ったが、11番の11メートルは「実は私、読んでません。ティーグラウンドで足を蚊に噛まれて…」。
松本さんがそっちに気をとられている間に「芦沢さんが一人でパパっと入れはりました」と、京都弁でキャピキャピした。
11月にはここ城陽で、女子二部のステップアップツアー最終戦「京都レディースオープン」が控えており、芦沢も「彼女にいいイメージを作れたら」と言うように松本さんにはこの上ない学びの場。
「ラフからのフライヤーとか男子のみなさんは規格外。パターの構えから入りそう」と、松本さんも目を丸める。
この日は同組の中西直人に「代わりに打って」と頼まれ「きゃはは」と明るい声が、無観客試合のさみしさを埋める。
隣の底抜けの明るさがきっとV争いの重圧を軽くする。
「3日目終わってこの位置というのは初めてで、明日どういう心境になるかわからないですけど必ず緊張すると思って。楽しんで頑張りたい」と芦沢。
「私はキャディバッグをただ転がしてるだけですけど先輩と楽しく会話をしながら優勝にむかってサポートできたらいい」。
松本さんにとってもこの上ない実地研修になる。