放送センターでは、各ホールからの映像や音声を集約する中継車の車内や、お茶の間にお届けする映像を取捨選択して切り替えるスイッチングセンターの様子に加え、テレビ制作に関わるスタッフの人数や、それぞれの役割など、関西テレビの宮下育雄プロデューサーによる解説が行われ、児童たちは学校から持参したメモボードに、時間に鉛筆を走らせた。
もちろん、プロゴルフトーナメントの見学ということで、1番ホールのスタートティでは、観戦スタンドに座って、真後ろからダイナミックなティーショットを見学したり、18番ホールのグリーンでは、ピンフラッグに絡むショットに拍手を送ったりと、短い時間ながら濃密なトーナメント学習を楽しんだ。
見学が終わり、バスに向かう途中では、ツアー20勝の谷口徹と、地元兵庫県出身の田村光正が、アテストを終えてクラブハウスに向かう途中、お揃いのキャップをかぶった子どもたちを見つけると、直筆サインでみんなを喜ばせてくれた。
日本ゴルフツアー機構では、地域社会貢献の一環として、ゴルフの底辺拡大を図る活動や、スナッグゴルフ全国大会の開催など、三木市と連携した活動を積極的に展開しており、この日の社会学習見学もその一環として実施。
大会最終日には、「第3回三木市スナッグゴルフ大会稲田三郎カップ」に参加した児童を対象とした、キッズエスコートも計画しており、地元の子どもたちとプロゴルファーとのリアルなスキンシップも計画されている。
【三木市のゴルフ普及の取り組み】
三木市には25のゴルフ場があり、ゴルフ場利用税が市政の一部を支えているのだが、これを原資にゴルフへの還元を図り、更なるゴルファーを引き込み誕生させようと、市内でのゴルフイベントの誘致やジュニア育成に力を入れ、高校・中学ゴルフ選手権、いわゆる春高の開催なども行なっている。
この取り組みはゴルファー増だけではなく、雇用の創出やツーリズムなど、ゴルフが産業としても大きく市に貢献していることから、三木市には「ゴルフのまち推進課」という部署が、これに特化した事業や業務を行なっている。
そんな全国的にも例のない仕組み作りに、三木市の中でいち早く取り組んだのが三木市ゴルフ協会前会長の稲田三郎さん。
全国的には、「ゴルフ場利用税の撤廃をしてほしい」「ゴルフ場利用税を維持してほしい」と、双方相反する運動が長年に亘り続いているのだが、「撤廃」でも「維持」でもない「還元」という折衷案を編み出し、それを市とともに実行に移した立役者でもある。
この取り組みにより、三木市では小学校全校(13校)にスナッグゴルフが導入されており、小学校のクラブ活動でも活用され、昨年度は市内全ての中学校にもスナッグゴルフ用具が導入されるなど、体験イベントや大会も開催されている。