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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2023

近藤智弘のボヤキと葛藤「リュック背負って…若くない?」羨望しながら1差2位


開幕前日のきのう、近藤智弘(こんどう・ともひろ)が水曜日のプロアマ戦後に、ちらっと練習場をのぞいたら、宮本勝昌(みやもと・かつまさ)と、片山晋呉(かたやま・しんご)が並んで元気に球を打っていた。


先週のシニアツアー「福岡シニアオープン」でプレーオフを争った“50オーバー”の2人である。

「なんなの? すごく元気やん、て。先週、あんなのやったばかりで。どこも痛くないの? あの年齢で。普通はどこか痛いよね? 痛いと練習もできないよね」などと、ちょうど近藤がぼやいていたところに、帰り支度の宮本が偶然、通りがかった。


「ほらいた。何なの? あの感じ。リュック背負って。若くない?」と、先週のシニアVのさっそうとした背中を目で追いかけながら「比較にならん…」と、首を振る。


「ツアーで結果を出している人たちってやっぱりとんでもない。メンタルも、技術も、体力も。羨ましい…」と、深いため息が出た。

近藤は、宮本らより5つも若いが、今年は腰痛で5月から4か月も離脱をしたし、「年齢じゃないんだね」と、痛感する。


きのうのプロアマ戦後も、「左肩が痛い」と、ツアー帯同のフィットネスジムに駆け込み、成瀬克弘トレーナーの施術を受けたしその隣には、同学年の矢野東もいて治療を受けており、「普通、痛いよね」と、慰め合った。


9月に腰痛からなんとか復帰をしたが、以後もなんとか練習場で打てるのは朝だけ。

「プレー後の練習は、まだ1回も行けていない。とにかく体の負担をかけないように。温存して、そっちを優先して、朝起きるときもどうかな~、ましかな~って。しょうがないとわかっているけど、出るからにはいい状態でやりたいと、欲も出ます」と、日々せめぎ合い。


「どうしてもショットの状態はよくないから。パット頼みと、常に3、4本パターを持って、練習して」。

前日のプロアマ戦でも、前後半ハーフで2本の違うパターで吟味を重ねたそうだ。


「自分への期待は当たり前に薄くて、それはそれで組み立ててスコアを作るから、そういうのが理由なのかはわかんない」と、首をかしげながら初日8アンダーの64で回ってきた。


1差2位の好発進は、本人が一番不可解だが後半7番パー4でのイーグルは、先に絶好の2メートルに乗せていた佐藤大平の球に、ギューッと戻った近藤のバックスピンの2打目が当たったことで、いい感じで進路が変わって入ったもの。


痛みに耐え、不振に苦しみながらのゴルフにも、幸運はある。


所属コースの三甲ゴルフ倶楽部で行われた3週前の「ACNゴルフチャンピオンシップ」以来の実戦会場は、三甲ゴルフ倶楽部から目と鼻の先にあるABCゴルフ倶楽部である。


会場入りする前に、三甲ゴルフ倶楽部にご挨拶に行ったらコースのみなさんに、V争いの末に7位に入った「ACNゴルフチャンピオンシップ」での近藤の大健闘への労いとお礼の言葉をいただいた。

「コースのために頑張ってくれてありがとう、って。お世話になっているのは僕なのに。嬉しかったな…」。


もし優勝なら、オフに祝賀コンペの企画も持ち上がっていた。

所属コースのおひざ元で、再び恩人らをざわめかす大チャンスがやってきた。

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