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三井住友VISA太平洋マスターズ 2023

最後イーグルで食いついた「ガオ」にわか虎ファン・吉田泰基が初V挑戦

まだ、終わらない。
プロ5年目、シード1年生の吉田泰基(よしだ・たいき)が、3日目の最終ホールで初Vチャンスを引き寄せた。



今平周吾(いまひら・しゅうご)に4打差つけられ迎えた18番パー5の2打目は、265ヤード。

前日の残り4ホールとでコース新の「63」をマークし、単独トップから出た第3ラウンドは、日没ギリギリ。

スプーンで打った池越えのショットは、「1秒しないくらいで視界から消えた」と、薄闇に紛れて行方を見失ったが、「寄ったよ~」と教えてくれたギャラリーさん。

「まぢですか!?」。

行ってみると本当に手前2メートルに乗っていて、「すごいすごい」とまたびっくり。
最後イーグルで、2打差に迫った。


今平のあまりのショットの精度に気圧されて、つい「おめでとうございます」と、本人には聞こえないくらいの声で降参したのは前の17番だ。


16番では2打目が左バンカーあごに埋もれて大目玉。
「90度の壁みたいでした」と、迷わずアンプレアブルを宣言し、1罰打からの「鬼フック」をピンそば2メートルにしっかり寄せた。


「ウェッジよりクリークとかのほうが寄るくらい。アイアンがほんとにそのくらいの精度」と、自分で言って笑うが、スタートの1番では2打目を、3番では今度3打目で、木と木の間を抜いてピンにくっつけバーディを奪った。


右バンカーから5メートルを残した7番も、左バンカーから3メートルを残した11番でもみごとなパーセーブで見せて、「打つ度にラッキー、ラッキーと言いながら回った。ラッキーとアンラッキーで、ちょっとラッキーが勝ちました」と、初出場の試合でV争いを楽しむ。


最終組で出た第3ラウンドのスタートティでは特等席のキッズエリアで子どもたちと気さくにグータッチ。
TBSの清原アナウンサーに「兵庫県神戸市の阪神ファン」と、選手紹介を受けてとっさに「ガオ~」と、虎ポーズでなりきったが、実のところは「にわかファン」。


少年時代もキャッチボールで遊ぶ程度だったが今オフ、塚田陽亮(つかだ・ようすけ)が率いる草野球チームに混ぜてもらい、3番レフトを守って開眼。

「面白い!」と、今年の虎旋風にも乗っかったが「選手は近本さんくらいしか知りません・・・」と、正直だ。


最終日最終組は、8位タイに終わった今年9月の「ANAオープン」に続いて2度目。「あのときは、ふわふわして。自分に期待しすぎて自分のプレーがまったくできなかった」と、反省する。

「今週は期待しません」と気を張らず、「パットがなんとか入ってくれたら、今平さんに追いつけ追い越せできるかも?」。
最終日も18、19年の賞金王に食らいつく。

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