開幕前からショットは絶不調だった。
「予選を通ればいいや」という状況から、2日目に14加点。
5位タイで決勝進出はできたが、不安が的中した3日目はマイナス1点で17位タイに後退。
「終わってからの練習で、自分のスイング動画を見て、何が悪いかが分かった。今日はけっこう自信をもってプレーができた」と修正には間に合ったが、最終日のスタート時は首位と13点差。
「優勝とかは全然思っていない、ただ、できるだけ上へ」と無欲で出て、前半の3バーディで6加点。
後半14番では10メートルを沈める4連続バーディで、一気にV戦線に浮上していた。
1990年ー98年の「アコムインターナショナル」以来となるポイント制大会として誕生した一昨年は、前年12月にプロ転向したばかりで「右も左もわからないことだらけ」と予選敗退を喫してから2年が経った。
昨季は出場、わずか8試合で初シードを果たし、初年度を戦う。
「技術だけでなく、気持ちの持ち方とか、メンタルの部分で成長しているな」と確信できたのが、自身の順位を確認してから入った17番で、バーディチャンスを決めたとき。
その時点で、首位と1点差に迫った。
最後18番では、左5メートルのチャンスも入れれば単独トップに立つのもわかっていた。
「入れたらプレーオフの可能性が高い」と思いながら打った勝負の1打は、「思った以上に切れました」と、ボール半個分の読み違いに泣いた。
通算35点はけっきょく3位に終わったが、最終日の「65」は自己ベスト(※参考記録)。
またボギーなしの8バーディで稼いだ16ポイントは、一昨年も含めて大会の最多獲得ポイントも更新した。
「欲を言えば、今日10アンダーくらい行けそうな雰囲気もあった」という平本。
「物足りないといったらなんですが、伸びしろあるな、と思いながらきょう回ってました」と、自信がつく1日となった。
世界の中心で活躍できますように、との願いがこめられている。世中=せじゅん(本名はせいちゅう)がアンダー25の波に乗る日も遠くない。
※ツアーで唯一のステーブルフォード(ポイントターニー)大会です
バーディ=2点
イーグル=5点
アルバトロス=8点
パー=0点
ボギー=1減点
ダブルボギー以上=3減点