記事
アイフルカップ 2002
「まだ、凄いスコアが出る可能性がある」
ホールアウトしてきたジェットのまぶたが、腫れぼったい。
今週水曜日に風邪をひき、前日初日に、点滴を打って試合にのぞんだ影響だ。
以前から、顔面神経痛など訴えて、体調がすっきりしなかったところへ、夜、うっかりクーラーをつけたまま寝てしまったら、「こんな調子。まぶたの腫れは、熱がこもってしまってるんだな…」
この日は、スタート(午後組)から、フラフラだった。
「ぼ〜っとして、気持ち悪くて…」
棄権しようかとも考えたそうだが、天気は、どんよりした曇り空。前日初日より、気温も低かったことが、幸いした。
「暑かったら、倒れてたとこだった」
体調不良を気力で補うラウンドは、気迫がこもった。
後半の10番で、アゲンスト風の中、残り232ヤードの第2打を、クリークで2メートルに乗せてイーグル。
サスペンデットを警戒して、急ぎ目でまわった上がり3ホールでは連続バーディを奪って怒涛のフィニッシュ。65でまわって通算10アンダーは、4位タイに「淡白プレーのほうがむいているんだね、おれは(笑)。オレも久しぶりに良いラウンドができたよ」と、いつもの豪快な笑みを、みせた。
体調は最悪ながら、残る2日も、「オレには、凄いスコアが出る可能性がある」という。
4年前、ここツィンフィールズで行われた日本プロで、弟・直道に敗れたものの、兄・ジャンボに続く3位。
「パー5で、取りこぼしがないし、ティグラウンドでセットアップがしやすいんだ」
この日2日目も、パー5だけで5アンダーのノーボギー。相性の良さは、実証済み。
今回3アンダー(暫定)と、ハイスコアの予選カットラインには警戒を強め「うかうかは、していられない。油断してたら、軽く20人は抜かれてしまう」
決勝にむけ、ジェットは石にかじりついてでも上位についていく意志を、新たにしていた。