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住建産業オープン広島 2002

「日本の人にも、親しみを持ってもらえるように…」

 ちょっと目を引く“S・K・ホ”の名前、実は「ニックネーム」

 昨年、チャレンジツアーで3勝をあげ、今季の出場権を得たホ。
 将来的な目標は、「米ツアーでの活躍」とはいえ、「まずは、日本で活躍できなければ、どうにもならない」と考えたホは、できるだけ早く、馴染めるようにと、さまざまな努力と工夫をしてきた。

 そのうちのひとつは、まず、その名前だ。
 日本語風に、彼の本名を発音すれば、本来ならば、「ホウ・ソクホ」になる。
 「でも、それって、とても言いにくいと思いませんか?」とホ。
 開幕前に、もっと、覚えやすく、かつ印象に残る名前は…と、頭をひねらせ、「S・K・ホが、一番、良いんじゃなか、って。まあ、ニックネームみたいな、感じです」
 確かに、最終日、常にリーダーボードのトップに居座る、「S・K・ホ」の文字は、ファンに「何者?」と興味を引かせる、強烈なインパクトがあった。

 来日当初は、ほとんどわからなかった日本語も、わずか1年足らずで、いまは日常会話には支障ないくらい、自由に操れるようになった。
 それも、ホの努力の賜ものだ。
 日本ツアーには、ホの他にも韓国出身のツアープレーヤーはたくさんいるが、ホは、あえて、彼らと離れて行動した。
 練習ラウンドは、積極的に、日本人選手たちに混じるなど、些細な会話から、言葉を覚えていったのだ。

 現在、大阪の天王寺を、日本ツアーの拠点にしている。
 この週、バッグを担いだ柏木一了さんに、「優勝スピーチは、“まいど(=大阪弁でありがとうなどの意味)”で、いけば?」と提案されたが、結局、実現しなかった。
 大観衆の前で、初めての“日本語”での優勝スピーチに、そんな余裕は、さすがに、なかったのだ。

 目標とする選手は、日本人ならば、中嶋常幸。海外選手なら、「トム・ワトソン」という。
 中嶋は、5月のダイヤモンドカップで優勝争いを演じたとき、ホがミスするたびに「ホさん、頑張れ。大丈夫」と声をかけてくれ、「これほどのベテラン選手が…」と、その心遣いに、感激したから。
 ワトソンは、常に紳士的なプレースタイルが、自分の目指すべきところと、重なるからだ。
 「僕が目指すのは、ストロングプレーヤーよりもグッドプレーヤー。誰からも、尊敬されるプレーヤーになりたいんです」
 その一心で、ホは、日本のファンたちに愛されるべく、これからも、たゆまぬ努力を、続けていくのだろう。

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