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宇部興産オープン 2001

「ここにあり、ってショットを見せたいね」

引退の危機を乗り越え、尾崎健夫が好発進

 ジェット尾崎が、得意げに言う。
 「今日1日2個のイーグル。・・・そうそう、取れるもんじゃないだろう?(笑顔)」

 2番、562ヤードのパー5。残り190ヤードの第2打は6番アイアンで、ピンまで4メートル。
 6番、526ヤードのパー5は、残り215ヤードの第2打を、これまた4メートルにピタリ。
 「この2つのイーグルを見てもわかってもらえると思うけど、ミドルアイアンで球が、浮き上がるようになって、強い球が出るようになってきたんだ。球が切れて、ピンの近くに止められる。そういう球が出るようになったからこその2イーグル!!」

 夏場は、「引退」の2文字も飛び出したほど、状態が悪かった。
 古傷の左ひざ痛。
 「痛くて痛くて・・・」歩くのも、ままならない。予選落ちと棄権を繰り返し、長期欠場を余儀なくされ、医者通いが続いた。

 「これで治らなかったら、もうだめだろうね・・・」と、ポツリとこぼしたことさえ、あったという。

 だがジェットには、復帰不可能と思われるほどの、ひどい故障から立ち直ってきた過去がいくつもある。
 今回も、不屈の闘志で乗り切った。
 「今日みたいな球が打てるようになるまで、2ヶ月もかかったけど、ようやく、本来の球が出るようになってきた。今年は、もう今からじゃ、遅いかもしれないけれど、遅い早いはどうでもいい。今週は、良いショットで、“ここにあり”っていう、存在感を見せたいね」
 コメントにも、歯切れのよさが戻ってきた。

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