記事
日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2000
「対戦相手を喜ばせに来たよ!!」
5月のマンシングウェアオープンKSBカップから3戦連続で予選落ちを喫した尾崎健夫は、反省の気持ちをこめて、集中トレーニングに励んだ。
「そしたらさ、やっちゃったよ…。最初は、つきゆびか何かだと思って自分で伸ばしたりしていたら、逆骨折しちゃったみたい。ああそれはもう、ショックだったね。
指は骨折、心は屈折ってか、アハハハ」
豪快に笑い飛ばしたが、6週間、治療のためワイヤーを入れていたという左中指はまだ痛々しく、手のひら側に折れ曲がったままだ。
「まだ、完全ではないんだけど、医者がそろそろ動かしたほうが良いって言うもんだから来てみた。でも、今日まわってみて、まだだめだとわかったね。握力が出ないから、250ヤードくらいしか飛んでないし…」と、患部を氷で冷やしながら尾崎の表情がちょっと曇る。
ひとホールごとに決着をつけるマッチプレーは、ストロークプレーに比べ、「いくら叩いても、相手には喜ばれることはあっても、迷惑をかけることはないだろ。完全な復帰戦というわけではないし、試しにやってみようと思ってな。明日は…、そうだな。早々に負けて、相手を喜ばてやるとするか!」と気を取りなおした尾崎。
初戦の対戦相手は、同じジャンボ軍団の東聡だ。
「しかしな〜相手が東だからな。あっさり負けるのは悔しいね。あいつ冷たいヤツだから、俺より飛ばして、さっさと先に歩いて行っちゃうだろうし。そう簡単には喜ばせてやるのは忍びないね」と宣戦布告で、周囲を笑わせた。
いつもの豪快な飛距離が見れないのは寂しいが、尾崎の天真爛漫な笑顔を見られるのは実に10試合ぶり。注目を集めそうだ。