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近藤智弘「挑戦する姿勢を忘れない」バランタイン選手権3日目
「迷いや不安を、コースにまで持ち込んでしまったことがいけなかった」。
近藤にとっては、これが今季初戦。日本ツアーの開幕まであと1ヶ月あり、スイングも体もまだまだ調整の段階だ。
いまも試行錯誤が続いているパッティングはさておき、ショットはそれなりの出来だったとは思うが、それでも「総合したら5、60点くらいかなぁ・・・」。
それに引き換え、早くから実践を重ね、すっかり出来上がっている欧州やアジアの選手たち。彼らよりいまは1歩も2歩も、出遅れていることを痛感させられた3日間。
通算7オーバーは、予選カットの65位にはほど遠い117位。
惨敗を喫したが、「これからも、こうして世界に挑戦する姿勢を忘れたくないと思う」と、近藤はいう。
日本と目と鼻の先、ここ韓国・済州島のピンクスゴルフクラブで行われた今大会は、世界ランク200位内の資格で参戦。これほど近場でパドレグ・ハリントンや、KJチョイら、世界の強豪に混じって腕を磨くチャンスを与えられた喜びが、近藤をますます突き動かす。
「どんなに失敗しても、悔しい思いを重ねても、やっただけの価値はある。僕には、まだまだ学ばなくちゃいけないことがある。こういう経験をするたびに、僕ももっと世界を見に行かなくちゃいけないと、つくづくと思うんです」。
そう語る近藤は2週後には、シンガポールのセントーサゴルフクラブで行われる全英オープンのアジア予選に挑戦する。
昨年に続く、2度目のエントリーはもちろん「昨年のリベンジですよ」。
そのあと6月の日本予選を突破して初のメジャー舞台を踏んだものの、同予選では1打差で権利を逃した。上位4人に残れなかった前回の悔しさを晴らしにいく。
そんな男の姿が今年、またグローバル企業を動かした。
昨年、サポート契約を結んだトヨタ自動車から、さらに複数年の契約更新を告げられたのだ。
「僕だけじゃなく、今年はトーナメントを開催(※)していただいたり、遼くんと契約を結ばれたり・・・。ゴルフに理解を示してくださっていることが、ほんとうにありがたい」。
だからこそ、大企業のバックアップに最大限に答えたい気持ちはあるが、余計な気負いはない。
「もちろん勝ち星を増やすことも大事だし、具体的に賞金ランクで昨年を上回るとか、いろいろやるべきことはあるけれど。僕はまず、日本でも世界でも、自分がどんなゴルフができるか。いかにベストを尽くせるかを今年の第一の目標としたいんです」。
改めて、そう心に誓って帰国した。
写真下=第2ラウンドの残り競技を終了後、深堀(左)と反省会。通算1オーバーで終わった深堀には「圭さんは通れるんじゃない?」と、先輩の予選カットを最後まで気にしていた近藤だったが、結局揃って帰国することに…。
※「The Championship by Lexus」は、11月6日に茨城県の大利根カントリークラブで開幕します!