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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2011

連覇を狙う、藤田寛之

大会前日のこの日は水曜日のプロアマ戦で思い出の舞台に立つと、改めて昨年の激闘がよみがえってきた。同じアラフォーの谷口徹が猛チャージを見せて、激しい一騎打ちとなった最終日。

17番の劇的イーグル。そして最終18番は、右バンカーから寄せた奥60センチのウィニングパット。「人生で一番震えた」。
カップに沈んだ瞬間、膝から崩れ落ちて号泣した専属キャディの梅原敦さん。

さまざまなドラマがあった。
「今日も、キャディやトレーナーや、コーチと“なかなか去年と同じことは出来ないよね”と」。
熱い感動は、今でも体の奧に残っている。
「だけど、今年はまた今年の藤田寛之として、ゼロからの挑戦です」。

2008年から続いてきた勝ち星。しかし今年はとうとう、1勝も出来ないまま、このツアー最終戦を迎えた。
「そこは寂しい部分。ゴルフの内容的にも、消化不良な部分はある」。
自身初めて“フル参戦”した世界4大メジャー。

「日本では普通に予選通過出来る状態でも、向こうに行けば通用しない」。

心技体とも絶好調で挑まなければ、跳ね返される。
本人も、それが分かっているから、なおさらしゃかりきになる。
「目指すレベルもどんどん高くなる。でも、そこにたどり着けないジレンマと、不甲斐なさ」。

それに苦しめられた1年だった、と藤田はいう。
「上を見るあまり、無理をしてしまった部分もある」。
そしてそれこそが、現時点で賞金ランク12位に甘んじている最たる要因という。
「今も、ショットが左に引っかってしまっている。今のところ、その答えはまだ見つかっていない」と、今年最後の試合を迎えてなお、スイングの完成に打ち込む職人ぶりは、あいかわらずだ。

今週は、生涯獲得賞金10億円越えに期待がかかるが、「自分への評価や目標はそこではなく、いかに打ちたいボールが打てるか」と言い切るところもあいかわらず。「今年、メジャーで経験したことが、いつか実を結んで花が咲いてくれたらいいな」。
今季初Vが、ここでの連覇なら1年の労も報われる。

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