報道陣に囲まれて、つい言ってしまった。「今日はフェアウェイに３回しか行ってない」。それを聞きつけたスタッフが慌てて駆け寄ってきて、「スコアラーさんは、６回行っている、と」。
「そうだっけ･･･」ととぼけたが実は、最初のはつい勢いで喋ってしまった。

18ホールをついて歩くボランティアさんが、正確にチェックしてくださっていたから助かったが連日苦しい展開に、思わず言い訳。
「いや、それくらいショットが曲がっていたってことで。それくらいしかフェアウェイに行かなかったっていう感じがして言ってしまった。内容はけっこうひどかったので」。

それでも、３番は最初のバーディで10㍍の長いのが入ったり、５番は８㍍を決めたり。
「パットがよく入ってくれた」とこの日は７個のバーディ量産に「それだけが僕の取り柄なので。その分ボギーも出ちゃうけど。だから明日からもバーディを一杯獲れるように頑張る」。

首位と２打差で迎える決勝ラウンドは今から、最終日のことが心配だ。
こう見えて、けっこうジンクスを気にする男。
これまで６勝ともすべて逃げ切りＶに「俺に逆転Ｖはムリ」とすっかり思い込んでいる感じがあるし、この日本オープンは「最終日に80を打たないように･･･」。

２００７年の相模原。最終日を単独首位で出ながら80を打って、８位に終わった。そして昨年は沖縄だ。最終日は２打差の２位でスタートしたが、やはり80を打って10位タイに沈んだ。

「今年も“魔の80”を打たないように･･･」。今度は３度目の正直。なんだかんだいってもいま、調子が良いから「これを４日間続けられればいい」。祈るように話した。

• 小田 孔明
• 小田 孔明