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関西オープンゴルフ選手権競技 2013
アマチュア選手はズボンのお尻が破けながらも奮闘中!!
佐藤大平さんが、今や「雲の上の先輩」から電話をもらったのは昨晩。東北福祉大の松山英樹からだった。「明日は、迷惑をかけないように頑張れ」。
予選ラウンドで、同組で回ることになったのは、これまた大先輩の池田勇太だ。
そんな松山の励ましと忠告も、しかしプレッシャーをあおる結果に?!
大リーグのイチロー選手の大ファンという佐藤さん。「見えないところでものすごい努力をする姿勢が好きで」と、心酔している。あこがれの人が、ちょうどこの日は早朝に、日米通算4000本安打の大記録を達成したが、それすらうっかり確認しそびれるほど、池田とのラウンドを控えて「朝から凄く緊張していた」という。
そして、いざ本番ではそんな佐藤さんを、あざ笑うようなハプニングが・・・!!
スタートの1番、2番と連続バーディにも、水を差された。
周囲からの指摘で、赤面の事実が発覚した。
大学のユニフォームの白ズボンは、お尻の縫い目の部分がぱっくりと破れ、下着も丸出し?!
「恥ずかしくって・・・」。スイングもままならない。気になって「踏ん張れなくて」と、モジモジと、気を遣いながらのラウンドも、グリーンでラインを読むのに立ったり座ったりするうちに裂け目はどんどん広がっても、もうどうしようもなくて、そのまま最後まで回りきった。
「緊張と恥ずかしさと」。そんな二重苦を抱えながらも、69の3アンダーで回ってきたのは立派だ。14番のパー4は、通常営業ではパー5の難コースで6メートルのスライスラインを沈めたバーディが「大きかった」という。
昨年は、ツアー出場7戦目の日本オープンで、初の予選通過を果たしたことが、「自信になっている」。大学の練習で磨いたショートゲーム。松山には「パットのラインを教えてもらって良くなった」と、実りの夏だ。
「今週は、ローアマが目標です」。もっとも成績が良かったアマチュア選手に贈られるローアマチュア賞。今大会では今は亡き至宝の中部銀次郎氏の名前を冠した栄冠を目指す。
そして佐藤さんと同じ3アンダーで、好スタートを切ったアマチュアの大堀裕次郎さん。
今年の関西アマばかりか、日本アマを制した逸材も、最初は「ローアマが目標」と、言っていたのだが、師匠でシニアプロの湯原信光に叱られたらしい。
「何を言っているんだ、と。そうじゃなくて、優勝を目指せ、と」。そう言われて方向転換。
大阪学院大4年生の大堀さんは、松山とは同期。
大堀さんにとっても「松山はまだ遠い存在」というが、「いつか追いつき、追い越したい存在」。
アマチュア時代にプロ1勝を上げて、プロ1年目の今はすっかりツアーの牽引役にも、一歩でも近づきたい夏。
トップアマの熾烈な戦いも見逃せないのが、この関西オープンだ。