Tournament article

東建ホームメイトカップ 2015

シード復活組! 市原弘大(いちはらこうだい)が首位発進

昨季の賞金ランクは57位で、3年ぶりのシード復帰を果たした2015年の開幕戦は、いきなりのスタートダッシュだ。2番から4連続バーディで、スコアボードを駆け上がっても、浮かれない。「このくらいで満足している場合じゃない」と、6番では風向きを意識しすぎて右の池ポチャも“OKボギー”で踏みとどまって、このオフの“初合宿”の成果を示した。

ホールアウトするなり、どや顔の大ベテランに言われた。
「俺のおかげや」。
直立不動で、深くうなずく。

デビュー当時から、アジアや欧州を飛び回り、日本ツアーとの掛け持ち参戦をした多忙な日々も、今年は日本に腰を落ち着けると決めたこのオフ。
初めて、誘いに応じた。
「毎年、誘ってくださっても、オフも試合ばかりでお断りし続けていて・・・」。谷口徹のオフの宮崎合宿。今年は初めて仲間に加えてもらった。「へたくそやから。俺が練習する暇がない」と、ぶつぶつ言いながらもそれは、先輩の照れ隠しであり「谷口さんは本当は優しい人。すごく面倒見もよくて」と、感謝しきりの特訓は、もともと課題を抱えていたアイアンショットをいちから見直す好機を与えてもらった。

「ドライバーは得意だけど。アイアンもドライバーみたいに大きく振りすぎる。左右に動きすぎるのを押さえて、もうちょっとコントロールできるように、と」。谷口から教えてもらったのは、ざっと言えばそんなこと。

噂の“谷口イズム”も注入された。「練習ラウンドでも緩むということがない。常に本気なところ。勝負師だな」。そんな先輩の生き様を間近にするにつけても、2010年の初シード入りを果たして、「そのくらいで喜んでいる場合じゃなかった」。

3年後のシード陥落でも、いやというほど思い知った自分の甘さを、改めて戒めた。「谷口さんには本当に良い刺激をいただきました」。
アジアンツアーとのWシードをウリにした時代もあったが、今年は日本でいちからの出直しだ。
「今年は日本で頑張って、なんとか複数年シードを手に入れたい」。再び、世界に飛び出すためにも、今年は日本でどっしりと根を生やして、ベテランのしごきも存分に受けるつもりだ。

関連記事