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ANAオープン 2015
地元小学生に遼くんが贈ったお土産
参加してくれたのは前日19日に、北広島市の札幌北広島ゴルフ倶楽部で行われた「第7回北広島スナッグゴルフ大会札幌北広島GCカップ」に出場した小学生のみんな。
引き続きこの日の晴れ舞台では、どの子がどのプロゴルファーを担当するか。くじ引きで決めた。“遼くん”と手をつなぐ貴重なチャンスを引き当てたのは、北広島市立東部小4年生の美濃部有凜(みのべゆいり)くん。
「ある意味奇跡・・・」と陶然と、いざ最終組に臨んだ美濃部くん。「緊張した」なんて、もんじゃなかった。「震えちゃった」。なんてたって、周囲はぐるっと黒山の大ギャラリー。息子の勇姿を楽しみにしていた美濃部くんのお母さんの美穂さんも、「あんまりたくさんの人で、見えなかったわ」と、残念がったほど。
震える手で“遼くん”の手を握ると「ゴルフはするの?」と、聞かれて余計に心臓が飛び上がった。「するんだけど・・・」。あっという間にティーインググラウンドに到着してしまって、それ以上のおしゃべりは出来なかったけど、実は昨日のスナッグゴルフ大会が有凜くんには「生まれてから3度目のゴルフだったんだ」って。
今大会のANAオープンでは貢献活動の一環として、2008年から地元北広島市の小学校に、スナッグゴルフのコーチングセットを寄贈している。これを機に、有凜くんの5つ上のお兄ちゃんの有純(ゆいと)さんの小学時代には、スナッグゴルフ部が出来て、お兄ちゃんの腕もたいそう上がったそうだが、有凜くんが入学したころにはなんと、廃部となってしまったそうで、ゴルフに接する機会があまりないのだ。
それでも昨日のスナッグゴルフ大会で有凜くんは2位。なかなかやるじゃ〜ん。と、思ったら「4年生の部は3人中2位なんだ」と、ぶっちゃけた。有凜くんの43ストロークに対して「1位の子とは、10打差もつけられちゃって」と、お母さんの美穂さんも苦笑い。
だけど、“遼くん”と手をつないだこの日をさかいに「これからは、もっとゴルフを頑張ってみたい!」と、がぜんやる気になった有凜くんだ。
この日のキッズエスコートには、翌21日・月曜日の祝日に宮城県仙台市の仙台ヒルズゴルフ倶楽部で行われる「第13回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会」の“出場選手”も“参加”していた。
「僕も子どもみたいなもんでしょ」と、おどけて笑ったのはゴルフ界のビリケンさんこと藤本佳則。明日の晴れ舞台には、ジャパンゴルフツアーメンバーたちで構成する「JGTOドリームチーム」」の面々が、子どもたちに混じって腕をふるうことになっている。
今年は、東北福祉大の先輩の谷原秀人をキャプテンに据えて竹谷佳孝、片岡大育、平本穏、塩見好輝らと藤本も“代表入り”を果たしたのだ。
その直前にこの日、輪厚で手をつないだ小林愛梨さん(千歳市立千歳第二小4年)は、前日の大会でなんと、パー36に対して30ストロークをマークしたそうで、藤本も感心しきり。「すごい、6アンダーやん! 俺も明日、それくらいで回れるかなあ・・・」と、にわかに自分のことが心配になってきた。
明日の全国大会では、各小学校5選手のうち、上位4人のスコアがチーム成績としてカウントされ、対象外となる“5番目”の子の名前の前には「※」がつく。プロゴルファーの最強チームも例外でなく昨年は、なんと谷口徹がその憂き目にあったと聞いて、藤本も戦々恐々。
「ああ〜、俺も※(こめじるし)かも。それは絶対に嫌やなあ・・・」。
「頑張ってください!」。小林さんのこの日の最終日の応援が、翌日のエールにも聞こえたビリケンさん。
「頑張るよ・・・!」。
トッププロのほうこそ、子どもたちに大いに励まされた輪厚の最終日であった。