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ブリヂストンオープン 2015

優勝したほうが、手っ取り早い!? 21歳の稲森佑貴(いなもりゆうき)が狙う初V

いつものクロスハンドで、最後の18番もねじ込んだ。パー5で8メートルのバーディ締めは、本当は池越えの2打目も狙えないことはなかったが、「池の周りも刈り込んである。油断をしたら、ウォーターショットのリスクもある」。手堅く刻んで、チャンスを作った。
「最後はせっかく上りのラインについたし、ショートだけはしないようにとしっかり打ったら入ってくれた」と首位タイに踊り出た。
初出場の袖ケ浦も「アウトで根気良く耐えて、インでがっつり狙う」と、言った通りのゲームプランで、優勝争いに加わってきた。

現在、賞金ランク35位は、今季最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップの出場も狙える位置にいる。昨季の同75位は、いわゆる第二シードによる初シードから今季さらなる大躍進は、なんといっても「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」がデカかった。

開幕直前に左膝痛で棄権をした中嶋常幸の代わりに、開幕直前に繰り上げ出場を果たして、5位タイ。暮らしぶりもがらりと変わった。

ジュニア時代から、遠征は必ずお父さんが運転するキャンピングカーだった。道の駅に停めて寝泊まりする生活も、連戦続きの今週は、移動の便を優先して地元千葉市内のホテルを取った。
かえって居心地の悪さを感じていた広いベッドも、「大の字で寝られるからたまにはいい」と、セレブ生活(?!)にも慣れてきた。

獲得賞金で、お父さんはキャンピングカーを新調。息子は憧れの新車「レクサス」を買った。いずれも11月の納車予定を親子揃って待ちわびる。
経費節約のために、デビュー時からバッグを担いでくれたお父さん。それも、「今季までかな」。来季から、正式にプロキャディを雇う計画にも、いっそう現実味が出てきた。

「今年は最終戦に出られる順位が目標ですが、優勝した方が早い」と、こちらは手っ取り早く権利を取る計画。「今日はせっかくここまで上り詰めたので。残り2日も自分のゴルフに徹して、自分が優勝するイメージを持ってラウンドしたい」。21歳は、もはやツアー初Vしか見ていない。

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