Tournament article

長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2015

験担ぎを済ませた孔明が、なるかリベンジ!

孔明がいよいよエンジンをかけた。スタートの1番で、15メートルをねじ込み、「さい先よく行けた」。ショットもパットも申し分ない。6番の池ポチャも、「あれは、ミスショットじゃなかった」。風が急に変わった。「まさか、あんなに上げているとは」。実際にグリーンに行ってみたら、「全然、超えてなかった」と完全な読み違いはショックだったが、210ヤードから乗せてナイスボギーであがって、勢いは止まらなかった。

昨季は初の戴冠に、「賞金王になったからって、余裕なんかあるわけない」。むしろ、周囲の期待と視線に、重圧の日々。「変なプレーは出来なくなった」。そう自分を戒めるほどに、ゴルフは知らず知らずに小さくなった。「普段はイケイケも、意外と守り出すタイプなんス」と、苦笑い。そんな心境の変化を周囲にも、読まれていて「最近、守ってるんじゃないのか」と、お叱りの声を聞くようになり、ツアーもそろそろ中盤戦にさしかかろうかというこの時期に、「まだ1000万円も超えていないのか」と厳しいお言葉をいただくようになり、「そろそろ闘争本能、出さんといかん」。

もっともここザ・ノースカントリーゴルフクラブなら、自然とスイッチも入るというものだ。北海道特有の洋芝も「根こそぎ持って行ける」と、ツアー屈指のパワーヒッターはものともせず、昨年は石川遼に破れはしたが、単独2位に「今年は、プレーオフにはしたくない」と、そこは冗談交じりでリベンジする気で満々だ。

そのための験担ぎもすでに済ませた。すすきのにある行きつけの寿司屋はもともと、池田勇太のご贔屓だった。「九州や本州ではちょっとお目にかかれないネタを出してくれる」。特に、お気に入りの子持ち昆布も、「よろコブ」と、縁起がいい。

「勇太も毎年ここでお寿司を食べて、北海道で優勝したと聞いて」。孔明もあやかって、足繁く通い始めて、2013年のANAオープンを制した。その効果は絶大で、こう見えて信心深い孔明は、今年も札幌で新鮮な魚貝に舌鼓を打って、準備も万端だ。

関連記事