Tournament article
フジサンケイクラシック 2015
年齢詐称疑惑?! 川村昌弘は正真正銘の22歳です
ラウンドリポーターでついた佐藤信人も、同組の片山晋呉からこんな証言を得た。右、左、高いの、低いの。ちょんというのもやるし、今の若い子にしては、クリエイティブなゴルフをする。見ていて面白い」と。
これを受けてテレビ解説の水巻善典が、大まじめに質問した。「本当は何歳なの?」。
「いえ、22歳なんですけど・・・」と、改めて詐称疑惑を否定した川村だがこの日も年齢らしからぬゴルフで優勝争いに加わった。
ショットの状態はけっして良くない。「今日は左ばかりで」。8番のティショットは案の定、左の林にまっすぐにすっ飛んだ。「そこからティショットは置きに行った」と、独特のスイングから繰り出すショットは、極端に低く「ライナーで、ゴロみたいな球」と、したたかに攻めた。
グリーン上はパットを打ってから、すぐに歩き出すのは「入ると確信しているからじゃない」。そもそも、入れと思って打っていない。入っても入らなくても「どっちでもいい」と、執着ゼロはそれも策のうち。
「先週は、初日に悲惨で。狙ったところにも行ってない。身構えすぎていると思った」。入らないからと、アドレスを変えてみたり、「ストロークをどうこう、とか。色々やってみるけど結局、効果が出た試しがない。要はリズムだ、と」。
自らのアドレスを「宙に浮いてるみたいに構える」と表現して「ティショットと同じように、パターでもフワフワっとアドレスしてみようと。期待せず、力まずやってみよう、と」。
13番からの3連続バーディでも、568ヤードの17番パー5では、スプーンで打った残り260ヤードの2打目が「あそこと18番だけは、凄い良い当たりをした。行ってみたら凄く近くて」と会心の2オンで3メートルのイーグルチャンスを決めたときにも、カップインを待たずにすたすたと歩きだすのも、もともとは従来のスタイルに戻しただけのこと。
「入っているときは、そのくらいのリズムでやっている。でも、歩き出して入らない時は、かっこわるいんですけど」と、のほほんと笑った。
世界中でゴルフをして歩くのが夢だったと、2013年の「アジアパシフィック パナソニックオープン」で得たアジアンツアーの資格を駆使して、今年も世界を飛び回る。6月には日本最終予選を経て全米オープンにも出場。すっかり味をしめて「毎年、メジャーに出られるような選手になりたい」。10月にはまた日本を飛び出し、マカオオープンと、香港オープンの出場を予定している。今年も、アジアと日本の両ツアーのシード権の確保をひとつの目標に、「どちらでも勝ってしまえば、願ったり叶ったりですね」。
富士山の麓でもひょうひょうと、頂上を目指す。