Tournament article
ダンロップ・スリクソン福島オープン 2015
S・K・ホが首位キープ
絶好のチャンスを逃す手はない。
しっかり決めたら、貞方の恨み節だ。
「外していたら、一緒の組で回れたのに」と、貞方。「僕とそんなに一緒に回りたくなかったんですか」と、問い詰められて、しどろもどろ。
「そんな訳はないけれど・・・」。どんなに仲良しでも、そこは勝負の世界。
抜け駆けして最終組で、仲間にも追われる立場。1打差の4位タイにつけた貞方と、健闘を誓い合う。いつも練習ラウンドをする良き友人は、今週も練習日に貞方はSKからパットを教わり、SKはショットを教わり、互いに高め合ってV争い。
SKは、前日の失態も、ケガの功名にするしたたかさ。初日はスタートの1番ティに、キャディが15本のクラブを持ってきてしまい、スタート前に抜いたはいいが、何を間違ったかスプーンを置いてきてしまって、冷や汗をかいた。よりによって、いま調子がもっとも悪いドライバーで、パー3をのぞいた全ホールを打つ羽目になり、「キャディを叱る!」とホールアウト直後は怒っていたものだが冷静に考えてみると、これは今の自分に与えられたひとつの試練ではなかったか?!
「この先、私のゴルフ人生はまだまだ続く。ドライバーで打って、失敗しても、それで終わりというわけじゃない」。頼みのスプーンで刻めないという状況に陥って、ドライバーで打つしかなくなって、それでも初日は首位タイにつけて、「おかげで自信が出てきたんです」。
逃げてばかりじゃなくて、攻めてみようという気持ちにもなれた。そしてこの日2日目は、クラブチェックもぬかりなく、スプーンもしっかりとバッグに入っていることを確認しながら、ドライバーで攻めていった。7番はその結果のOBでダブルボギーに「そこはもったいなかった」と、スコアを落としたのは悔しかったが、「後悔はしていない」。
たとえ不安があっても挑戦してみる気持ちを思い出すことが出来た。
仲間とコース併設のホテルで過ごした前夜もまた共にテーブルを囲み、かの“スプーン抜いちゃった事件”も笑い話に変えて盛り上がった。みんなで一緒に優勝争いをしようと、話し合った。
2日目の夜もまた、決勝ラウンドを前に夕食は盛り上がるだろう。
SKが逃げ切るか。貞方が、まくるか。星野は通算7アンダーの23位タイに後退してしまったが、SKとは4打差。チャンスはまだ十分にある。
「ハマればビッグスコアが出るコースなので、明日また誰が来るかは分からないけど自分は自分のやることをしっかりやりたい。後悔しないプレーがしたい」。貞方も「SKさんに負けないように、頑張ります」。遠慮なく言い合える、仲間がいるから頑張れる。