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RIZAP KBCオーガスタ 2016

ジュニア育成プロジェクト! 高3の清水大成(しみずたいせい)さんがV争い

また一人、主催者の期待に応える少年が出てきた。その年、顕著な成績をおさめたジュニアに出場のチャンスを与える今大会の「ジュニア育成プロジェクト」は今年、6人がプロの舞台に挑戦している。

その中でも今年は、先月7月にここ芥屋で行われた「RIZAP KBCオーガスタジュニアチャレンジゴルフ選手権」で2位に入って、出場権を得た清水さんが、2日目にして並み居るプロに混じって4位タイで決勝ラウンドに進んだ。

ほんの2週前までは「ショットも、ショートゲームも。すべてが調子悪くて。OB連発。どこから打っても寄らない」と、先週の日本ジュニアでも80位と、散々だった。
それが、プロの試合でV争いを演じるまでに大変身したのは先週の21日日曜日に、地元福岡の大博多カントリークラブで、自己ベストの64をマークしてから。

「テイクバックの上げ方とか。いろいろ考えすぎて、悪かった」。
反省から、無心で振り切ることを心がけたらたちまち好ショットが戻ってきた。「自信がついた」と、昨年の日本オープンに続く自身2度目のプロの試合も堂々と、前日初日は9番でイーグルも奪った。

ツアーでは、一転して硬さもスピードも増したグリーンもものともせず、この日後半の2番では8メートルを沈めて連続バーディも奪った。4番では、4メートルのパーパットもしのいで、ボギーなしの66を出して「想像以上の成績です」と、はにかんだ。

サッカーやラグビーでは強豪だが、ゴルフ部はない東福岡高に進んだのは、「一人で練習したほうが、集中できるから」と、骨がある。黙々と、鍛錬を積んだ高校生活も
最終学年を迎えて「学校の歴史、豊富な人脈」に惹かれたと、名門・日大への進学を決めている。
先月のダンロップ・スリクソン福島オープンを制した時松隆光は、「僕と同じ先生の人。憧れです」。篠塚武久コーチの教えで清水さんも、「パター以外はすべて」と、器用にベースボールでクラブを握り、明日の“ゲンちゃん”を夢見る。
6人中ただ一人、決勝ラウンドに進んで、「ベストアマ」の目標は、すでにかなえて、史上4人目のアマVも手の届く位置にいる。

2打差の首位には、こちらもまた憧れの石川遼。2010年には石川が主催するジュニア大会の、九州地区大会での優勝経験もある。
「石川さんのように、いつか日本を代表する活躍がしたい」。
午前組でラウンドを終えて、午後から居座ったパッティンググリーンを時松と、石川遼が、午後のハーフターンで横切った。
後半10番ティに向かう2人の背中を、清水さんはいつまでも見送っていた。時松も石川も、やはり清水さんと同様に、「ジュニア育成プロジェクト」で発掘された選手だ。
その歴史は確かに引き継がれている。石川に続く高校生Vも夢じゃない。頑張れ、清水さん!!

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