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フジサンケイクラシック 2018
そして弟子2人の快挙に喜びながらも・・・孔明のせつない胸の内
今季2勝の秋吉翔太のポテンシャルは孔明も、以前から認めていた。「翔太は若いころの俺を見ているみたい。ショットの技術からして、翔太はいずれ勝つ、と」心配していなかったが出水田は今季、せっかく初シード入りを果たしたものの、序盤にもたついていた。
「はっきり言って、大二郎には『しっかりしないと今年はシードもやばいぞ』と、話していたしていたくらいだったので」。
秋吉に比べて出水田はまだ荒さが残ると、孔明は見ていた。
「でも勝った。チャンスをモノに出来た。それはほんとに凄いと思う」と、孔明にも誇らしい限りだ。
先週、自身は予選落ちしたにもかかわらず3日目もまたコースに行って、出水田のプレーを見守った。
秋吉も、出水田も、孔明を慕って一緒に練習するようになった。チーム孔明を自称する若い2人が目の前で、次々と結果を残す姿。
「いいことだよ。嬉しいことだよ。嬉しいことなんだけど・・・、悔しい」と、孔明の口からつい本音もこぼれた。
師匠として引っ張る立場であるはずの自分は賞金王に輝いた2014年を最後に、ぱたりと勝ち星が途絶えたままである。
秋吉も出水田も「師匠の孔明さんに続いて、自分たちも賞金王を」などと、言ってくれるが「俺の賞金王なんて、過去の話よ。飛んで曲がらず、アイアンビタビタというのはやっぱり歳と共に減っていくよね。切ない・・・切ないよ。いいなあ・・・あいつら。凄いよな。俺を置いていかないでくれよ、って・・・」。
40歳のため息。
「今年、前厄だから。今は何をやってもダメな時期。だけど、これから良くなるって話だから。何かきっかけさえあればまだ俺だってって、思っているから」。
いつまでも、若い指標であり続けるためにもこのままでは終われない。
「俺もまだまだ目標にしてもらえるように、頑張らなくちゃ!」。師匠こそ、若い2人に刺激を受けている。