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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2019

賞金レースは脱落したけど…チャン・キムが狙う3度目の日本一

1年の感謝とともに
賞金王の可能性は消えたが、レジェンドのあとを受け継ぎ、大会を盛り上げる。賞金3位のチャン・キムが、賞金1位と2位との最終組で、スタート前にサイン入りキャップを観客席に投げ込み、取り合いになった。

現マネージャーの金魚潤一郎さんは長年、片山晋呉を支えた敏腕。
本大会では、一昨年まで20年連続の出場記録を続けた永久シード選手が毎年、このシーズン最終戦で、愛用のテンガロンハットや中折れ帽を観客席に投げ込み喜ばれていた。

「チャンもやってみなよ」と、金魚さん。
「…僕なんかの帽子をみなさん、受け取ってくれるかな?」と、キムはこう見えてけっこう、心配性。
「みんな僕のことなんか知らなくて、いらないよと投げ返されたらどうしよう…?」。

「そんなわけないだろ」と金魚さんは一笑に付した。
「きっとみんな喜んでくださるよ。外国人選手だからこそ、そういうファンサービスで盛り上げなくちゃ」と言われて、恐る恐る実践。

最初、何が飛んできたか、と唖然とした観客席から即、歓声が上がった。
「こっち…こっちに投げて!」。
「欲しい〜〜〜〜」とおねだりされて、ご満悦。
最終日まで毎日、プレゼントを続けることに決めた。

一昨年も終盤まで賞金レースを争いながら、腰痛のために本大会を欠場。翌年丸1年は、1試合も出られなかった。
1年越しに、悲願の初出場を果たした飛ばし屋。

賞金レースは脱落したが今季も、ドライビングディスタンス1位(平均316.70ヤード)で今大会を迎えて、一昨年以来2度目の”戴冠”に挑む。

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