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日本オープンゴルフ選手権競技 2020
52歳、谷口徹が「お父さんの意地」
最終ホールの9番で、ピン右から10メートルのバーディトライをねじ込み、拳を突き上げた。
難コースで、谷口徹が3アンダーの67をマーク。
この日、同組で回った佐藤太地と今野大喜は「自分の息子みたいな年齢です」。20代の2人とスコアで競り合い「お父さんの意地を見せられた」と、満点笑顔でホールアウトした。
コロナ禍で、今年ほとんどのレギュラーツアーが中止に。試合がない期間は、シニアツアーに活躍の場を求めた。
だが、「グリーンのスピード感が違うので。調子が悪いと思っちゃう。パットが、ずっとパッとしなかった」。
得意なはずの分野で悩んでいたが、今年2戦目の”主戦場”に戻れば、たちまち水を得た魚。
7番で、チャンスパットがカップ淵で止まってしまった。
この「ミスパット」に開眼。
「ワイドスタンスにしてみよう」とひらめきで変更した途端の8番。
「2メートルのチャンスがキレイに入ってくれた」と、上りの連続バーディにつなげた。
今年52歳。
「でも最近、試合に出ても疲れないのは、アドレナリンが出ないから」と、分析。
根っからの勝負師には、ここぞのプレーも、コロナ禍による無観客試合では、心の張りがない分、エネルギーの消耗も少ない、…らしい。
過去2度のV経験(04、07年)があるベテランが、得意舞台で身も心も活性化。
「ここではフェアウェイに打たないと、ゴルフが始まらない」との心得も、十分すぎるくらいに身に染みている。
「1日アンダーパーが出ただけで満足ですよ」と、52歳のお父さんはうそぶいたが大会3勝目が実現すれば、最年長V記録が57年ぶりに大幅更新される。
※現在の大会最年長V記録は48歳302日で、1963年(28回)大会を制した戸田藤一郎氏です。