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日本プロゴルフ選手権大会 2021
「今度は遠慮しません」稲森佑貴が激アツなV争い
昨年10月の「日本オープン」で自身のツアー2勝目を、18年に次ぐ大会2勝目で飾った稲森佑貴(いなもり・ゆうき)。
今度は「日本プロで勝ちに来ました」と、宣告どおりに3日目を終えて、首位と1差の単独2位に。
前日2日目に「明日、10アンダーまで行けたら王手」と、言った。こちらの予言も曲げずにこの日は6バーディ、1ボギーの「66」で回って、通算11アンダーまで伸ばした。
最終日を前に、有言実行の大チャンスにつけた。
好物の「日本タイトル」という理由だけでなく、稲森もまた、大会には懐かしい青春時代の思い出がある。
「ツアーのデビュー戦が、日本プロなので。勝ちたい試合のひとつなのです」。
栃木県の烏山城カントリークラブで行われた2012年大会。前年に、PGAのプロテストに合格したばかりの選手たちで争う新人戦で優勝して、ツアー初出場を果たした。
その時、予選ラウンドで組まれたのが池田勇太(09年)と、河井博大(かわい・ひろお、11年)の歴代覇者グループだった。
「激アツなメンバーでした」と、圧倒された。
当時は右も左も分からぬ18歳。「自分が”迷子”みたいな組み合わせ」と、あっけなく予選落ちした。
「刺激しかない1日でしたので。いまだに忘れられない試合のひとつ」。
今度は池田と最終日最終組でぶつかる。
「感慨深い」。
武器は、もちろん2015年から今なおフェアウェイキープで1位を続けるショット。
「今回は遠慮をせず、自分のゴルフを貫いて行こうかな、と思います」。
意志もゴルフも曲げません。
今度は、激アツなV争いで魅せる。