賞金王のチャン・キムは、石川遼と池田勇太と8時20分に10番ティからスタートした。
昨季はコロナ禍で、合流できたのはやっと11月からだったが今季は、来日後の隔離もなく、開幕から賞金王の存在感が出せる。
「今年もまた日本に戻ってこられて良かった」と、喜ぶ。
賞金王や、世界ランキングの資格で海外の出場機会は増えるが、「今年も日本で、できる限りたくさん試合に出たい」と、意気込む。
食事量を大幅に減らす半断食はまだ続けていて、本当に見違えるほどスリムになった。
「今週もとても楽しみにしていた。開幕戦から良いスタートを切りたい」。スタイリッシュにダッシュを決めたい。
昨年覇者で、賞金ランキング2位の金谷拓実は次週、自身2度目のマスターズを控えて留守だが、同3位の木下稜介は国内開幕に合わせて、転戦していたアジアンツアーからいったん帰国。
昨年末は、移動中の羽田空港で急性虫垂炎を発症。あまりの痛みに気絶する寸前で、救急搬送されたが年明けに、米ツアーの「ソニーオープン・イン・ハワイ」を控えており「絶対、手術はしない」と、薬で散らす選択肢もよぎったそうだ。
しかし、海外で再発した際のリスクと天秤に、手術を決断。
5日間の入院で、クリスマスも寂しくベッドで過ごすことになったが、年明けには完治して、アジアンツアーで競技に復帰。
ビッグマネーのサウジアラビアで、バッバやザンダーらビッグネームと回り、トップ10入りできたのは、大きな収穫だった。
昨季は「全英オープン」に初出場して、「人生で一番お客さんに囲まれてプレーをした」と、すっかりメジャーに味をしめた。
今年はすでに「全米プロ」の資格を得て、さらなる出番の獲得に欲が出る。
「今年の目標は、世界ランキング50位に入って来年のマスターズに出場すること」。
ターゲットに向かって邁進する集中力は、若手の中でも随一だ。
初日は、契約先の大先輩でもある倉本昌弘と、昨季最後まで一緒に賞金王を争った星野陸也とコースに出た。
「マスターズのためにも、今週がすごく大事と思っています」。
心も、体も開幕からすでに完全に仕上がっている。