実家から会場までは車で40分ほどだが、月曜日に1日帰っただけ。
近隣の宿から通い、ご両親との面会はもっぱら本戦が始まったコースで。
だから余計に「いいとこ見せなくちゃ」と、気合いが入る。
会場の芥屋(けや)ゴルフ倶楽部は小学時代から、練習やジュニアの試合で使わせてもらい、回り慣れている。
昨年大会も、「64」で回って暫定ながら首位発進した。
だが、「開幕前日にひらめいた気がして初日は良かったですが、それまでの調子があまりに悪くて2日目からは消えました」と76→74、そして最終日は81の大乱調で急降下。
73位の最下位まで落ちた。
持ち味のショットが上手くいかなかった。
「当たらなくて、まっすぐ行かなくて。9番アイアンで50ヤードも曲がって、ゴルフにならない。考え過ぎていたと思います」と、回想する。
300ヤードを越える飛ばし屋。
「今は考える隙も与えず振り切るようにしています」と、豪打も戻った。
先週最終日は「1ピン(約2メートル半)から3パットを3回。1メートルを5回くらい外した」と、不振を極めたグリーン対策として、今週は高校時代から愛用するピンタイプのパターを、マレット型にスイッチ。
「方向性が出しやすいし。芝目にも負けていない」と、クセ強のコウライ芝にもマッチした。
「右横から凄い切れるフックラインがジャストタッチで入った」と、長い15メートルを沈めてバーディ先行した前半12番から13、14番と3つ続けて弾みをつけると7アンダーの65。
「ミスはボギーを叩いた15番くらい」と納得のゴルフで2年連続の首位発進を果たして「ここから落ちていくようじゃ、成長してない」。
ちょうど1年前の雪辱に気合いが入る。
ゴルフと音楽を融合し、プレー中も鳴り止まないBGMと、スタート時は各選手がリクエストした曲に合わせてにぎやかにティショットを魅せる趣向で
清水が選んだ1曲は、7月の夏休みに鑑賞した映画「トップガン マーヴェリック」の主題歌「I Ain't Worried」。
「カッコ良かった」と、主演のトム・クルーズに心酔し、このたびも迷わず選曲。
「いい感じでスタートできた」と、初日の離陸を成功させた。
「落ち着いて今のゴルフを続ければ、最後まで上手くやれるはず」。
自身も上手に操縦し、このまま上昇気流でトップガンになる。