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バンテリン東海クラシック 2022

飛ばし屋リキは屋根直撃と場外ホームラン。でも首位と4打差!

波瀾万丈の土曜日を乗り切った。
現在、年間飛距離でダントツ1位。
怪物ルーキーの河本力(かわもと・りき)は、まず結論からいうと、第3ラウンド後に1番ティで行われた恒例のドライビングコンテストで優勝を逃した。


否、逃した…というよりも、トホホの計測不能だ。
8人出場で、3連覇を狙う最後のチャン・キムの前の打順で「みなさんが見たこともない数字で優勝します」と宣言して打った2球とも左の林の、さらに左の7番ホールの林のほうに消える“場外ホームラン”。


「自分のクラブがこんなに柔らかく感じたのは初めて。テンション上がって振っちゃいました」と、ムリを反省。
「みなさんが諦めたようなことを言っていたからそれがプレッシャーになっちゃった」と、苦笑した。

予選ラウンドで回ったチャン・キムにも「いつも通りソフトに振ればリキの勝ちだから」と、言われていた。


でも、いざ舞台に立つとサービス精神が止まらない。

「400ヤードとか。意味わからん数字にしたいな、と。やっぱり、マックスで振っちゃいけないことが分かった」と、大事な最終日を前に、大人のゴルフを胸に刻めたのは収穫だ。



「凄い悔しいですが、明日はしっかり稼げるように。頑張ります」とその分、肝心の本戦で誓いを立てたが、5打差の5位タイから出て、4打差の単独2位で上がったこの日の3ラウンドもまた、最後までドラマチックだった。


スタートからショットが曲がり、450ヤードの3番では左に飛んだ第1打が木を直撃。
すぐそこのラフに落ち、急勾配からの2打目は眼下のフェアウェイに出すだけ。第3打は「だいぶ残ってた」と、250ヤードもあったがそこから乗っけてボギーで収めた。


「ダブルボギーになってしまいそうなところで落ち着いて、集中して出来た。成長した部分」と、そこから6つのバーディで挽回。

一時は9差をつけられながら、「桂川さんに楽に勝たせたくない。諦めてはいなかった」と、最後は3差に詰め寄り18番に入ったが、また事件は起きた。


左のラフでテレビ塔の救済を受けた2打目は、ピンまで164ヤードの計算で、48度のウェッジを持ったが「フライヤーで、180ヤードは行った」と、奥の緑のVIPテントの屋根を直撃。

バリバリ…ッという激しい破裂音に一時、辺りが騒然となった。


「外にも人がおられて。ケガをされていないか。本当に焦った。心配になっちゃいました。本当に申し訳なかった」と、平謝りしながら1.5メートルに寄せてパーセーブ。

「めちゃくちゃ緊張して打ったんですが、入って凄く嬉しかった」と安堵し、「明日につながる1打と信じています」と、8月の「Sansan KBCオーガスタ」に続く通算2勝目に気を向ける。


「射程圏内。絶対に狙える位置でいかに自分に集中できるか」と意気込みつつ「明日はしっかり幅に打つ、テンション上げない、大事にします」。
ドラコン大会での失敗もちゃっかりと糧にする。

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